ハワイ島沖の海域で、28日(火)、野生のイルカの群れに嫌がらせをした33人の遊泳者が米国の法執行機関に照会されたとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
州土地天然資源局(DLNR)はニュースリリースで、26日(日)の定期パトロール中、ハワイ島ホナウナウ湾で33人の遊泳者に遭遇したと発表している。ドローンで撮影された空撮映像には、泳ぎ去るハシナガイルカを追うシュノーケラーの姿が映し出されており、DLNRによると、「イルカの群れを積極的に追いかけ、追い詰め、嫌がらせをしているように見える」とのこと。
DLNRの執行官は、水中にいる間にその遊泳グループに接触し、違反について伝えた。その後、陸上にて制服を着た警官が遊泳グループに対峙し、州当局と連邦当局が共同で調査を開始した。
ハワイのハシナガイルカは、夜間に海底から上がってくる魚や小さな甲殻類などを食べ、朝日が昇ると、イタチザメなどの捕食者から身を隠すため、浅い湾に向かう。泳いでいる日中のイルカは、素人の目には起きているように見えるが、イルカは脳の半分を休ませ、残りの半分を浮上させて呼吸をすることで睡眠をとっているため、水中を移動しているときも眠っている可能性がある。
ハワイの近海でハシナガイルカの50ヤード(約46メートル)以内で泳ぐことは、連邦法違反となる。この禁止令は、多くの旅行者がイルカと一緒に泳ぐことで、夜行性のイルカが夜間に餌を採るために必要な日中の休息がとれなくなることを懸念し、2021年に施行された。
この禁止令は、ハワイ諸島から2海里(3.7キロ)以内のエリアと、ラナイ島、マウイ島、カホオラヴェ島に囲まれた指定水域に適用される。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.29)