8月8日に発生した山火事の被災者3109人を現在滞在中のホテルから長期滞在型住宅に移すため、マウイ島西部では短期レンタルを禁止するモラトリアム(一時停止措置)が4月1日(月)から開始される予定だったが、グリーン知事は、その必要がないことを発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
グリーン知事は、27日(水)、議会議事堂の5階会議室にて、「影響を受ける家族をうまく収容するための最低限のユニット数に達したので、モラトリアムは必要ない」と語った。
短期レンタルに対応している住宅は、マウイ島全土では十分な数があるものの、被災者のほとんどが滞在を希望している西マウイに限定すると、戸数が不足している状態だという。グリーン知事は、「もし短期レンタルやその他の住宅をマウイ島の人々に貸すことができるのであれば、helpingmaui.org/offer にアクセスしするようお願いし続けるつもりだ。とても良い取引ができるだろう」と呼びかけた。
なお、山火事被災者向けの住宅として賃貸物件を自発的に引き渡した所有者は、郡の固定資産税を支払う必要がなく、またこの構想は州議会でも検討されている。
一方グリーン知事は、違法な短期レンタルの所有者に対しては、州による不動産の差し押さえや、居住者への売却の可能性など、厳しい罰則を科すとし、「タックス・アムネスティは目の前のニンジンであり、法律に違反すれば、最終的には財産を失うことになる。それが最も厳しい結果だ」と述べた。
マウイ島には合法・非合法の短期バケーションレンタルが推定3万1000件あり、州全体の8万9000件のバケーションレンタルのうち、7万5000件が違法であるとみられている。ハワイでは手頃な価格の住宅が5万戸必要であり、島民がより手頃な価格の州へ移住するのを食い止める必要がある。
ラハイナの再建には5年から10年かかる可能性があるため、グリーン知事は短期バケーションレンタル、特に違法な物件を、長期的な地元の住宅に変えることが、住民のための住宅を増やす最も早い解決策であるという信念に立ち返っている。
画像:facebook.com / Governor Josh Green
(日刊サン 2024.3.28)
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