連邦政府の新たな新型コロナ資金提供、州予算案に光明
連邦政府が今月、ハワイ州に対し新型コロナ給付金を追加提供したことについて、専門家は「失業保険の請求をカバーし、性的暴行の被害者への支援やH I Vの予防など、主要な社会プログラムに充当する支出の削減回避に繋がる」と述べていると、A P通信が報じている。
州下院は先週水曜、上記の支出を含む2年間の州の予算案の採決を予定していた。可決された場合は上院で審議される。バイデン政権による最新のCOVID-19救済法案により、ハワイ州は予算に適用可能な16億ドルを受け取った。今月初めに大統領が法案に署名したことを受け、ハワイ州は、教育省と国務省に対し追加資金を直接割り当てている。
ハウス・ファイナンス委員会のシルビア・ルーク議員は、委員会が7月からの2年度にわたって全額を充当したと述べ、ハワイ州がどれほど資金を必要としているかを強調した。ルーク議員は「16億ドルの連邦救済がなければ予算案の通過は非常に困難だっただろう」とコメントした。
連邦政府から受ける追加資金のうち7億ドルは、失業保険金の支払いのため州が米国労働省から借り入れていた資金の返済に充てられる見込みだ。ハワイ州の失業保険信託基金には、2020年3月以前までは約5億ドルが含まれていた。その後パンデミックが観光産業に打撃を与え、州の失業率が急上昇したことで給付金の支払いが急激に増加した。これを受け、州は資金を借り入れていた。また、下院は州の労働雇用関係局に対し、計300人の雇用を目指すための追加の失業手当1億500万ドルを確保した。
ハワイ予算政策センターのベス・ギエスティン所長は「下院予算委員会の詳細を確認する必要がある」と述べたものの「パンデミックの初期に懸念されていた州の社会プログラムへの支出を大幅に削減する必要はない」と楽観視している。州歳入評議会は昨年5月、一般財源税の税収が今年度中に12%減少すると予測していた。しかし現在、観光業界は緩やかな回復傾向にある他、失業手当の支払いにより懸念されたほどに個人所得が下回ることはなかった。
ルーク議員は「下院の予算は増税に依存していない」と述べたものの、議会には増税の可能性のある法案が残されている。
(日刊サン 2021.03.24)
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