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【ハワイニュース】ハワイ島消防、電気自動車の火災に備える

ハワイでは、ここ数年の間で急激に電気自動車(EV)の人気が高まっているが、EVで使用されるバッテリーが引火した際の消火の困難さが問題となっている。それに対し、ハワイ島の消防署では、講習を行うなどEVバッテリー消火の対策を準備しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。

EVは、通常のガソリン車と違い、簡単には消火ができない。搭載されているリチウムバッテリーから火が出ると、放水では火が消えず、鎮火には何時間もかかってしまうという。

ハワイ島の消防士は今年初め、リチウムバッテリーの危険性についての講習会に参加した。EV火災の際、彼らが取るべき選択肢は3つある。

まず1つ目は、火が消えるまで放置すること。ハワイ島消防署のパトリック・スプリンガー大隊長は、「生命や財産に差し迫った脅威がない場合、これが最も早い方法だ」と述べている。自動車の高電圧バッテリーは車体の金属に包まれているため、放水しても外側から冷やすだけで直接的な消火にはつながらない。自然に燃え尽きるのを待つのが最も安全で、かつ水の節約にもなる。

2つ目は、防御的なアプローチだ。車の火災による被害を最小限に抑えるために、周囲の人や他の車両をすみやかに移動させることが重要となる。

3つ目は、攻勢的なアプローチだ。他のものに引火したり、人に危害が及ぶ恐れがある場合は、炎と戦うことが必要だと専門家は語る。火災が起きた車両を移動させるなどの対策が取られるが、EVバッテリーは後で再燃することがあるので注意が必要だ。レッカー中や移動後の場所で再燃しても、少なくとも一般人から離れていれば危険を最小限にできる。

従来のガソリン車と比べ、EVはほとんど火災が起きないと言われている。自動車保険会社の調査では、ガソリン車はEVに比べて3倍も発火しやすいというデータもある。ただし、EVはひとたび引火すると消火が非常に難しい。EVの発火はバッテリーが損傷して起こるため、衝突事故などでも引火が起こる可能性がある。また、オーバーヒートも発火の原因のひとつとされている。

ハワイの道路を走る車のうち、EVは約8%を占めているため、炎上するのは時間の問題だという。スプリンガー大隊長は、そのような事態が発生した場合、彼の部署では対応する準備が整っていると語っている。

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写真:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.3.17)

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