バージニア州にある「リッチモンド野生動物センター(Richmond Wildlife Center)」の職員たちは、保護された孤児のアカギツネの赤ちゃんに餌を与え、世話をしながら、母ギツネのように振る舞うことに全力を尽くしているとAP通信が伝えている。
12日(火)に同センターのフェイスブックページに投稿された動画では、エグゼクティブディレクターのメリッサ・スタンレー氏がキツネのマスクとゴム手袋を着用し、赤ちゃんキツネに注射器から餌を与えている様子が映っている。また、赤ちゃんキツネは母親に見立てた大きなキツネのぬいぐるみの上に座っているという。
スタッフがマスクをして餌を与え、人の声を最小限に抑え、視覚的な障壁を作り、その他の予防措置をとっているのには理由がある。人間による刷り込みを避け、人間に慣らされたりしないようにすることで、赤ちゃんキツネは将来的に野生に戻ることができる可能性が高くなるためだ。
このキツネはリッチモンドの路地で犬の散歩中の男性に発見され、2月29日にセンターに入院した。 最初スタンレー氏はこの動物を子猫だと思い、リッチモンド動物虐待防止協会に引き渡した。 キツネは生後24時間も経っておらず、へその緒がまだ付いたままの状態だった。
野生動物センターのスタッフは、まずこのキツネの母親と巣穴の場所を探し、2匹を再会させようとした。彼らは巣穴を見つけたが、母ギツネは罠にかけられ駆除されたと管理人から聞かされた。スタンリー氏は、子ギツネは罠から落ちたか、罠を回収したトラックの荷台から落ちたのではないかと考えている。
子ギツネのケージには、母親に見立てた大きなぬいぐるみに加えて、小さなキツネのぬいぐるみも入れられている。動画の最後で、子ギツネはその小さなぬいぐるみに寄り添っている。スタンレー氏は、「目標は、動物を野生に戻し、生存の可能性を高めるだけでなく、自分たちの種を認識させ、繁殖させて野生動物の個体数を増やすことだ」と語った。
そのため、センターはすぐに同じ年齢と体重の他のアカギツネの子どもをリハビリ・コミュニティーの中で探し始めた。スタッフはバージニア州北部のリハビリ施設にいる他の3匹のキツネを見つけた。このキツネたちは動物教育救助機構に譲渡され、最終的には一緒に野生に戻す予定となっている。
画像:facebook / Richmond Wildlife Center
(日刊サン 2024.3.15)
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