米国魚類野生生物局(USFWS)は、ハワイ島の約12万エーカーの土地を、絶滅危惧種12種の重要生息地として保護指定したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
これらの12種は、11種の植物とハエの一種であるハワイアン・ピクチャー・ウィング・フライ(Drosophila digressa)で、ハワイ島にのみ生息している。この措置は、非営利団体の「生物多様性センター(Center for Biological Diversity)」からの訴訟に対応するもので、絶滅の危機に瀕している1つ以上の種の保護のために土地が特定され、確保されたことを意味する。同団体は、2019年、米国連邦地裁にて、絶滅危惧種14種の重要生息地を適時に指定しなかったとしてUSFWSを提訴していた。
生物多様性センターのハワイ担当ディレクターであるマックス・フィリップス氏は、今回の保護指定を歓迎し、「これらの深刻な絶滅危惧種を救うには、彼らが故郷と呼ぶ場所を保護し、回復させることが必須だ。生息地の保護は極めて重要なステップだが、火災や開発、ネズミや外来植物のような侵入種による脅威に対処するためには、さらに多くのことを行う必要がある」と述べた。
生息地に指定された12種には、ヒマワリ科の多年草であるコオコオラウ、南コナに生息するヤシのような低木であるハハ、アフリカスミレ科のハイワレとカナワオ・ケオケオ、アク、メリコペ・レミイ(Melicope remyi)が含まれる。
また、Phyllostegia floribunda、ホアワ、マクラエイの亜種であるSchiedea diffusa、コハラ山脈で見られるつる性植物のStenogyne cranwelliae、マウナロア山脈とマウナケア山脈の間の乾燥した森林で見られるつる性花植物のマオリオリなども含まれる。
リストに含まれる種の中で唯一植物ではないハワイアン・ピクチャー・ウイング・フライは、これまで標高2000フィートから4500フィートの中山間地と湿潤林の生息地の5カ所で発見されている。
今回生息地として指定された約12万エーカーは、ハワイ島の6つの生態系(海岸から乾燥した中山間地の森林、草原、熱帯雨林、マウナケアとマウナロアの斜面)にまたがっている。
画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.3.15)
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