オアフ島ノースショアにあるオーシャンフロントの住宅が、波の浸食によって地盤が緩み砂浜に崩れたのは先週の出来事だ。
作業員が引き上げ作業を行い、現在木造家屋は荷物搬送用のパレットを積み上げた上に乗っている状態だ。
住宅の所有者はアニー・L・ゲラロ信託で、これからこの住宅がどうなるのかは明確になっていない、とホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
借家人のヒューゴ・ヴィラロボスさんは、今後の計画として、家を土地の内陸部に移動させる予定だと語っていたが、ホノルル市計画許可局(DPP)は、このまま移動して維持するのは困難だという。
環境アセスメントや海岸調査、海岸線のセットバックに対する設定や許可など様々な手続きが必要で、これらのすべての調査を終えて許可が出るまでに数年かかるのではないかと言われている。
また、ハワイでは高波がぶつかる地点までを州の所有(海岸)としているため、この家屋が建っている土地の大半は州に没収される可能性がある。
DPPによると、この住宅はすでに数十年も海岸保護地区との境界線の上に建っており、1969年には砂浜がすでに家屋の下部分を侵食していたという。
そして1986年に木材梁で家屋を下から支えなければならず、1996年には、浸食によって深さ4フィート(およそ120センチ)の窪みができ、その上に片持ち梁で建っているような状態にまでなっていた。
州土地自然資源局はこの住宅の所有者に対して、対応を求める書面を送っていた。
地質学者は今後数年でノースショアの海岸線にある住宅が波による侵食で崩壊する可能性があると警告しているが、現時点で州政府や市行政は抜本的な方策を示せないままだ。
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.3.10)