上院 州所得税・法人税など増税を採決へ
ハワイ州上院議会は今週中に州所得税の増税を採決する予定としており、もしこれが法制化されると、ハワイ州は全米で最も州所得税率の高い州となるとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
現在、審議されている法案では、年収20万ドル以上の収入のある個人に対して16%の税率をかけることになっており、この税率は現在最も高い税率であるカリフォルニア州が100万ドル以上の年収の個人に対してかけている13.3%を大きく上回ることになる。
またこの法案の税率は、州と市が徴収する税を合わせた率も現在最高のニューヨーク市の12.7%を上回ることになる。
ハワイ州は新型コロナウィルス感染拡大により観光業が落ち込み、それによる税収入が激減して苦境に立たされており、議会ではそれを補うための新たな税収入を模索していた。
この法案では、キャピタルゲイン税、法人税、高額不動産所得税に対しても増税する予定としており、上院委員会では全会一致で先週可決されている。
委員長を務めるドノバン・デラ・クルーズ議員は「ハワイ州では予算が足らず、知事は州職員の一時休職を考えている。州職員の年金や退職者の福利厚生の支払いを遅らせている。この状況の中で州政府によるサービスを停滞させないためには増税に頼ることになる」と述べている。
委員会を通過したこの法案は、今週中に上院での採決となり、もし上院を通過した場合には下院へ送られることになる。
法人税の増税については、一部の会社経営者が反対を訴えている。
自動車販売会社を営むブラッド・ニコライ氏は「新型コロナウィルスで打撃を受けて、今やっと従業員を戻し始めたばかりだというのに、これで法人税が増税されたら従業員を削減する事を考えなくてはいけなくなる。あるいは結局値上げすることになってしまう。議会には、この法案が経済にもたらすであろう影響についてもっと考えてもらいたい」と述べている。
(日刊サン 2021.03.09)
シェアする