ハワイ諸島の北西に位置する海洋保護区で、2023年に生まれた絶滅危惧種のハワイモンクシールが少なくとも170頭記録されたとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の研究者たちは、昨年8月から9月にかけて16日から20日間隔で、パパハナウモクアケア海洋国定公園のさまざまな場所で行われたフィールドキャンプにて、モンクシールの子どもの予備的なカウントやその他の作業を完了した。その間、米国魚類野生生物局、ハワイ州土地自然資源局、パパハナウモクアケア海洋ゴミプロジェクトとの協力のもと、離島でハワイアンモンクシールの監視とタグ付けが行われた。
NOAAは最近、モンクシールの子どもの数が170頭であったと発表したが、これは前年より10頭少ない。しかし、2023年はほとんどの場所でフィールドシーズンが短縮された。
全体のうち、50頭の子どもがフレンチ・フリゲート・ショールズ(ラロ)で生まれた。研究者によれば、少なくとも159頭が無事に離乳したという。合計156頭の子どもに識別票が付けられた。これは固有の番号と文字が連なった色付きのタグで、どこで生まれたかを特定するために、モンクシールの後ろ足に付けられている。
研究者らは1980年代初頭からパパハナウモクアケアのモンクシールの個体数を監視してきた。絶滅の危機に瀕しているモンクシールの個体数は2022年に節目を迎え、20年ぶりに1600頭を超えた。子どもの数を調べ、タグを付ける一方で、ガラパゴスシャークの捕食率が高い地域にいる離乳した子どものうち22頭を安全な場所に移動させた。また、メスの子どもに抗生物質を投与した。
パパハナウモクアケア海洋ゴミプロジェクトは、1頭のモンクシールの子どもの鼻からウナギを取り除いた。チームはまた、ハワイ島カイルア・コナにある海洋哺乳類センターのモンクシール病院「ケ・カイ・オラ」でリハビリを受けていた5頭をパパハナウモクアケアの野生に戻した。
もうひとつ画期的だったのは、フレンチ・フリゲート・ショールズでYC31のタグで知られる28歳のハワイモンクシールに19頭目の子どもが生まれたことだ。NOAAによると、YC31は現在、モンクシールの中で最多の出産数を記録しているという。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.2.23)