無謀なハイキング 救助費用は自己負担?
警告を無視してハイキングをした結果として救助が必要になった場合、探索や救助にかかった費用が自己負担となるかもしれないとKHONが伝えている。
現在ハワイ州議会で検討されている法案では、警告を無視したり侵入禁止のサインがあるにもかかわらずハイキングをして遭難し、その結果捜索が必要になったり救助が必要になった場合には、その捜索や救助にかかった費用の全額もしくは一部を請求して本人に負担させようとしている。
これは主に観光客の救助が増加していることが主な原因だ。
「この法案はとても重要です。なぜなら税金を無駄に使っているからです。責任のない行動をする人々には責任を取ってもらう必要があります」とマイク・ガバード上院議員も述べている。
カラニ・イングリッシュ上院議員によると、一回の救助で1万ドルかかっているのに、警告のサインに従わない人がどんどん増えているという。
2月18日にはマウイ島ハナ地区マイオカで数人の観光客が小川を歩いている時に急な洪水で海に流されて女性が1人死亡するという事故が起こった。
死亡した女性は歩いている時に危ないからと注意をされ、洪水警報が出ているから水に入らないようにと周囲の人々から言われたにもかかわらず、「大丈夫よ、歩けるわ」と言って周囲の忠告を聞かなかった結果、命を落とした。
イングリッシュ議員によると、この救助にかかった費用は莫大だという。
「亡くなったことは非常に残念だが、彼女が忠告を聞かなかったせいでハワイの住民が遺体を見つけるための捜索費用を支払わなくてはならないのです」
しかもマイオカは私有地で、侵入禁止の場所だ。
ハイキングトレイルの道をわざと外れたり、一般に公開されていない土地に無断で入ったり、閉鎖のサインがあるにも関わらず入っていった場合が対象となる。
一方でハイキングの専門家は、救助に費用を払わなくてはならないとなると助けを呼ばなくなる恐れがあるとしている。
また、高波の警報が出ているにもかかわらずサーフィンに出かける人々の救助は無料で、ハイキングの救助は自己負担というのに納得がいかないという。
2020年にホノルル消防署が行なった救助活動は、地上での捜索48件、ヘリコプターを使用しての高所からの救助181件、海での救助71件、水泳中の救助62件、海流に流された人の救助5件、サーファーの救助が0件、ボートの救助45件だという。
フェイスブックやインスタグラムで他の人がしていたのを見たからといって、命を落としてしまってはどうしようもない。
無理な行動は慎み警告やサインを遵守して安全な行動を心がけたい。
(日刊サン 2021.2.22)
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