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【ハワイニュース】大統領所信表明演説でハワイの観光業に今後大きな影響か

先週行われたバイデン大統領による所信表明演説が大きな波紋を呼んでいるとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。

「消費者に少しでも多く支払わせようと、多くの企業が使用する諸費用という名目」を撤廃させるとしたからだ。

これを受け、リゾート料金(resort fee)や追加料金(surcharge)を課しているホテル業界や航空会社は、今後の厳しい展開を予想している。

バイデン大統領はすでに先週、「ジャンク料金防止法案(Junk Fee Prevention Act)」を導入し、ホテルや航空会社の料金問題に取り組むと発表し、次のように述べている。

「ホテルがリゾート料金として宿泊客から徴収しているものを禁止する。リゾートでもないホテルで、この名目で190ドルも課金されることもある。また、航空会社が、家族が一緒に座るためだけに往復50ドルもの料金を請求することも禁止する。手荷物料金だけでも十分高いのに、子供を荷物のように扱うことは認められない。アメリカ国民は企業に搾取されていることにうんざりしている。これを止めるべく、ジャンク料金防止法案を議会で可決してもらいたい」

ハワイ州の議員らもしばらく前に、ホテルに対してリゾート料金の開示を求めた。その結果、ホテルのウェブサイトには、大きく表示される宿泊料金とともに、小さくではあるがリゾート料金についても記載されるようになった。

また、リゾート料金も短期滞在税の対象とされ、宿泊料と分ける理由はなくなっているが、ホテル側は、これらを合算して宿泊料金とすることに抵抗を示している。20221日の平均宿泊料は371ドルで、これにリゾート料金分を加えると非常に高いものとなるからだ。

経済の専門家、ポール・ブリューベーカー氏は、「リゾート料金は、ホテル側が宿泊料を上げるよりも簡単に多くの金額を得るための手段だ。経済学では情報化社会における一種の詐欺と呼ばれているもので、人が物事をトータルでとらえない傾向があることを利用している。本来なら、消費者には一つのまとまった料金として提示すべきだ」と述べている。

ジョッシュ・グリーン知事は次のように語っている。

「純粋に消費者保護の観点から、企業は料金や追加料金などについて消費者が支払う金額を事前に提示する必要がある。
飛行機やホテルの予約、スーパーでの買い物、レストランでの食事など、どの場合でも、必要なのは透明性だ。この透明性が、ハワイの自然資源を保護するために年間1,000万人の観光客から料金を徴収することについて公開で議論している理由でもある」

ハワイ宿泊&観光協会の代表を務めるムフィ・ハネマン氏は、「大統領が料金撤廃を考えているのは明らかだ。すでに銀行業界における料金徴収撤廃を行っている。公正で平等に、すべての接客が同じルールと基準に従う限り、これに抵抗するのは難しいだろう。しかし、ホテル業界だけにそれを求めるのであれば、また別の話だ」とコメントしており、この問題がアメリカの旅行・観光業界に与える影響について懸念している。

旅行会社「プレザント・ホリデー」の社長であるジャック・リチャーズ氏によると、オアフ島ではおよそ74%、マウイ島では46%のホテルがリゾート料金を徴収しているという。

いずれも1泊につき25ドルから50ドルで、それに加えて駐車料金が、オアフ島で115ドルから62ドル、マウイ島では110ドルから45ドル課金されるという。

リゾート料金と駐車場を合わせると、高いところでは宿泊料金とは別に112ドルかかり、1週間の滞在では700ドルを超えることになる。

バイデン大統領が所信表明演説でジャンク料金として名指ししたのはホテルだけではない。

クレジットカード、チケット販売、ケーブルテレビ、携帯電話、インターネットプロバイダーなどの企業も挙げられている。

連邦議会はすでに運輸省に対し、14歳未満の子供が家族と一緒の座席を確保するのに費用を発生させないよう各航空会社への指導を求めている。同省は7月、航空会社に対し 「実行可能な限り」 そうするよう促すガイダンスを発表した。大手の航空会社は家族料金を撤廃したものの、格安航空会社の中にはまだ徴収しているところもある。

ハワイアン航空の担当者によると、同社では、家族料金も予約変更の手数料も現在では撤廃されているという。

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写真:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.2.14)

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