東京オリンピックの金メダリストであり、ワールド・サーフ・リーグで5度の優勝経験のある女子サーフィンのカリッサ・ムーア選手が、2024年パリ夏季オリンピックを最後に競技サーフィンを離れ、人生とキャリアの新たな章をスタートすることを発表した。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、競技サーフィン引退の理由のひとつは、高校時代からの恋人で夫のルーク・ウンターマン氏と家庭を築くためだという。
ムーア選手は、インスタグラムへの投稿にて、「長い間、勝つことが成功の定義だと思っていた。勝てば、みんながハッピーになり、みんなから愛され、内面的な葛藤に絆創膏を貼ってくれる。残念なことに、現実は、勝利はつかの間のもので、それに伴う感情も一時的なものに過ぎない。私は、空虚な勝利のためにそれを続けるつもりはない。トップでいることで、外からはそこに居続けることが求められるが、私自身の心は方向転換する時が来たと告げている」と述べた。
ムーア選手は、今季のパイプ・プロがチャンピオンシップ・ツアーでの最後のイベントになると発表し、「すべてが始まったホームで終わるのがふさわしい」と付け加えた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ムーア選手は、「これらの勝利や、私のアイデンティティの大部分を占める競技的な部分、私はそれを取り去り、今年は自分自身と向き合っている」とし、今後は異なる方法で挑戦し、ジャージを着る以外の人生を探求したいと語っている。また、競技サーフィンからは引退するものの、サーフィンを続けていく意向であり、「サーフィンは私の一部であり、これからもずっとそうだ。これは決して終わりではない。これは進化であり、次の章の始まりであり、新たなスタートだと考えたい」と語っている。
今後は、パリ大会に向け、短縮されたスケジュールで競技に臨むという。オリンピック・サーフィン・イベントは7月下旬にタヒチで開催予定となっている。
ワールド・サーフ・リーグのスポーツ・チーフであるジェシ・マイリー・ダイヤー氏は、「カリッサ・ムーアがこの新たな章の決断を分かち合うとき、彼女の素晴らしい旅路と、彼女がサーフィンに与えた深い影響について振り返る。彼女はチャンピオンであり、水の中でも外でも模範である。キャリアを通して、カリッサは優しさ、回復する強さ、競争力の素晴らしさを体現してきた。彼女の功績はスポーツの枠を超え、サーフィンに新たな運動能力と進歩のレベルをもたらした。限界に挑戦するカリッサのひたむきな姿は感動的であり、競技シーンにおける彼女の不在は深く感じられるだろう」と述べている。
また、ムーア選手は、自身の慈善活動であるムーア・アロハ・ファウンデーションに時間を捧げ、次世代の若い女性サーファーたちがメンタルヘルスとウェルネスを優先するよう鼓舞している。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.1.22)