ビーチに車で入らないで
オアフ島東部、ワワマルとして知られている9.5エーカーの開発されていない自然のビーチは、風や波の音、海鳥の鳴き声、子供が水辺で遊ぶ声などが聞こえ、美しい自然を楽しむための場所であるべきところだが、実際にはオフロードの四駆自動車が轟音と共に走り回り、砂浜には車輪の跡が深く掘り込まれ、原生植物や砂丘は黒いタイア跡で荒らされてしまっている。
オフロード自動車はサンディービーチからカイヴィの海岸線までを走り回っているそのエリアは絶滅危惧種に指定されているハワイアンアザラシが生息している貴重な場所だ。
それ以外にも、ビーチ・ナウパカや、ナイオ、ウミガメ、海鳥、絶滅危惧種のハワイアン・イエロー蜜蜂なども生息している。
地域の自然環境を守ろうと立ち上がったハワイカイの住民からなる地区議会では、同地区選出の市議会議員トミー・ウォーターズ氏と共にシエラ・クラブやサーフライダー財団などの自然保護団体と協力してホノルル市に働きかけ、ビーチへの車の侵入を防ぐ計画をしているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
カラニアナオレ・ハイウェイの海側に、掘削機を使って平地を作り、その周囲に岩を積み上げて駐車場を確保すると共に、不法なオフロード自動車のビーチへの侵入を防ぎつつ、徒歩でのビーチアクセスを確保するのも計画のひとつだ。
それでも少し離れたところからのオフロード車の侵入を完全に防ぐことができないとして、環境保護団体はハワイ州に働きかけ、カラニアナオレ・ハイウェイ沿いに砂丘への侵入を防ぐための障壁を設置するように求めている。
ワワマルの砂丘、ビーチ、溶岩の海岸線は、野生動植物のための大切な生存場所であるとともに、ハワイアン先住民族が暮らした場所としてハワイにとって重要な場所である。
ハワイの美しいビーチをオフロード車で壊すような行為はやめなければならない。
(日刊サン 2021.1.15)
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