最先端の水上飛行機「シーグライダー（Seaglider）」が、ハワイの隣島間交通手段として活躍するかもしれないとKHON2が伝えている。

シーグライダーは、水上を時速180マイル（約290キロ）で走行する排出ゼロ（zero-emission）のクリーンな全電気飛行機だ。ハイドロフォイル船に翼がついており、翼と水面との間に生じる空気流の変化を利用し、揚力を生み出すことで水上での高速移動が可能となる。シーグライダーは沿岸地域の移動時間を大幅に短縮するとして近年注目を集めている。

「ハワイ・シーグライダー・イニシアチブ（HSI）」は、ハワイ住民に手頃で利用しやすい移動手段を提供するため、地元の複数のパートナーと提携している。

ジョシュ・グリーン州知事は、「気候変動とクリーン・エネルギー戦略に沿った持続可能な交通技術を探求するために、共に協力している民間や公共、コミュニティ・セクターといったHSIのパートナーを称賛する」と語った。

グリーン知事によると、シーグライダーによる島間交通網への投資は、再生可能な代替交通手段を提供し、地域社会のつながりを維持し、地元企業を支援し、ハワイの回復力のある経済を構築するのに役立つという。

モクレレ航空は、世界に先がけてシーグライダーを運航するとみられている。

シーグライダーによる島間移動は、一般交通だけではない。手頃な価格で持続可能な交通手段を提供することで、医療や雇用機会へのアクセスの改善も期待されている。HSIのアドバイザーであり、ハワイ先住民地位向上協議会（CNHA）のCEOであるクヒオ・ルイス氏は、「シーグライダーがハワイ全土、特にモロカイ地域の人々の幸福を高めるためにもたらす変革の可能性を熱望している」と付け加えた。

HSIはハワイ州運輸局とも覚書を交わしており、同局はハワイ全域の代替交通として協力的な姿勢を見せている。