ハワイ・コンベンション・センターは、1998年のオープン以来、最も収益性の高い年のひとつとなりそうだとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
ハワイ・コンベンション・センターのジェネラルマネージャーであるテリ・オートン氏によると、同施設の総収益は2410万ドル(うち利息収入は140万ドル)、施設純損益は100万ドルの赤字で、予算を430万ドル下回ると再予測している。しかし同氏は、「140万ドルの利息収入の削減を調整しても、私たちは予算予想を上回り、過去最高の収益を達成する、財政的に好調な1年を予想し続けている」と述べた。
オートン氏は、この増収は市内全域と海外事業、そして地元事業の伸びの組み合わせによるものだと説明する。「パンデミック前のレベルには達していない。以前は年間平均28件のコンベンションを開催していたが、今年度は19件、来年度もほぼ同程度になりそうだ」としながらも、全体として2024年度と2025年度は好調に推移する見込みだと付け加えた。
2024年度には収支均衡を達成する見込みであり、「ASMグローバル」がコンベンション・センターを管理して以来、収支均衡または黒字を達成するのは3年目になるという。なお、2017年に同センターは130万ドル(約1億5800万円:2017年平均122円/ドル換算)以上の純利益と1750万ドル(約21億3500万円)以上の総収入を達成した。2016年の同センターの純利益は80万8,245ドル、総収入は1605万ドル以上であった。オートン氏は、「州からの補助金を節約できるので、収支がプラスになるのは非常に重要だ」と語る。
コンベンション・センターは、パンデミックの影響で起こった大規模なコンベンションや会議の落ち込みからまだ完全には立ち直っていない。2023年の最初の11カ月の間、会議やコンベンションに出席するため、または報奨旅行に参加するためにハワイを訪れた人は37万8547人で、2022年同時期比28.4%の増加だった。コンベンションは34.9%増、報奨旅行は42.1%増となったが、企業会議は2.6%減となった。
「シティワイド」(複数の会場にまたがって展開する大規模なイベントを指す業界用語)の減少にもかかわらず、コンベンション・センターの投資収益率の数値は改善している。11月、同センターは1ドルの支出につき20.63ドルを州に還元したが、2022年12月は5.40ドルだったという。
コンベンション・センターは、ホテルの客室を満室にするハワイ外からの「オフショア・ビジネス」をサポートするために建設された。しかし、不況やパンデミック、自然災害など、米国内外の経済状況によって、ビジネスは浮き沈みする。そこでASMグローバルは、短期的なビジネスで経費を相殺する戦略的なビジネスプランを多様化するというアプローチをとった。例えば、屋内スポーツイベント、沖縄フェスティバルやハワイ・フード・アンド・ワイン・フェスティバルなどの大型催事、ホノルルマラソン、コンサート、結婚式などだ。「新しい市場セグメントを作り出したことで、オフショア・ビジネスが好調でない時期にも収益を上げることができた」とオートン氏は語った。
シェアする
画像:Shutterstock.com / briangarrityphoto
(日刊サン 2024.1.9)