ホノルル市は1日(月)付で、オピオイド関連の過剰摂取に対処するため、アルコールを提供するバーやナイトクラブ、レストラン約869軒にナロキソン点鼻薬の常備を義務付ける米国初の都市となったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
この新法は、昨年6月にアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートで起きた大量過剰摂取事件を受けて制定された。この事件で2人が死亡、3人が入院した。ホノルル警察によると、現場にはフェンタニルがあったという。
市議会は昨年7月までに、タイラー・ドス・サントス=タム議員が提出した法案28を承認した。リック・ブランジャルディ市長は同月末、この法案に署名した。なお、この法案は、米国食品医薬品局(FDA)がオピオイド除去薬ナロキソンの商品名である「ナルカン(Narcan)」を店頭販売することを承認してから4カ月後に提出されたもので、当初はホノルルのバーやナイトクラブの経営者たちによって考案された。
ドス・サントス=タム議員は、声明にて、「ナロキソンは、オピオイドの全国的な蔓延を鑑みると、昨今必要なツールである。緊急事態に備えて消火器やAEDがあるのと同じように、できるだけ多くの場所で利用でき、アクセスできるようにすべきだ」と述べ、この新法は命を救うだけでなく、全米の他の都市の模範となることを期待していると強調した。
この新法により、ホノルル市内でアルコールを提供する場所にてナロキソンが設置されていない場合、200ドル以下の罰金が科せられる。
一般にオピオイドとは、違法薬物のヘロインやフェンタニルなどの合成オピオイド、あるいはオキシコドン、ヒドロコドン、コデイン、モルヒネなどの合法的に処方される鎮痛剤を含む薬物の一種を指す。
2017年8月から2018年8月までに、ハワイでは59人のオピオイド過剰摂取による死亡者が出た。州保健局によると、2020年までにその数は274人に急増し、364%増加したことがわかっている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.1.4)