ビーチの見張り台は封鎖されているが、非公式にサーファーを見守るライフガード達。マスクをして社会的距離を保ちながら!
カーク・コールドウェル市長の3月31日の記者会見で、ホノルル警察のスーザン・バラード本部長は、「本日までに、外出禁止令の違反者に、警告1500件、違反切符180件、逮捕9件を摘発した」と発表。
新型コロナを予防するため“社会的距離(Social Distancing)”の実行を促すための緊急法に沿ったもので、逮捕は交通法違反と公園閉鎖に対する違反容疑で実行されたという。
バラード部長は、「自発的に協力してほしい、違反切符を出すことや、逮捕はしたくないのです」と述べた。実際、注意を促す警告が最も多く、違反内容は州立のビーチパークや閉鎖している公園内への侵入違反だ。
写真にあるように、ワイキキのビーチや公園で複数の人が立ち入った場合、パトカーが通常より小さな警告音を出しながら近寄り、退去を促している。容疑者が非協力的だったり、以前に警告が出されていたものだと違反切符が出され、5,000ドル以下の罰金や1年以下の禁固刑に科せられる。
さらに部長はワイキキなどでホームレスが増えていることに鑑み、「住所のない者には違反切符は出さないが、公園閉鎖に違反した者には発行する」と述べた。
当初すべて閉鎖されていた公園のトイレは、人権擁護団体などの訴えなどにより、公衆に開放。市は「ホームレスだけではなく、レストランなど多くのトイレが閉鎖中の中、バス、タクシー、宅配業者などの運転手も公衆トイレが必要だ」と述べ、トイレ使用が済んだら速やかに公園から去らなければならないと付け加えた。
またビーチパークの閉鎖に伴い、ライフガードの見張り台は封鎖され、市の職員であるライフガード達もビーチから撤退していたが、沖合のサーファーを見守るべく、非公式に監視をしている。 「海で泳いだりサーフィンをするのは、健康維持のために必要な運動」とみなされ、ビーチに複数で集まるのは禁止だが、海の中で社会的距離を保ちながら泳いだりサーフィンをするのは認められているからだ。
ホノルル市の市民への配慮は概ね、柔軟かつヒューマンだといえる。
レストランや店の入り口はバリケードされ、ゴーストタウン化するワイキキ |
公共の場をパトロールするホノルル市警、公園内で座ったり遊んだりしていると退去を要請される。従わなければ、警告、違反切符、逮捕などに |
(文・写真 奥山夏実)
(日刊サン 2020.4.7)