新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、日本の外務省は海外への不要不急の渡航をやめるよう求める「レベル2」の「危険情報」を世界全体を対象に出した。政府が国・地域を問わず、日本国民に対し全世界への渡航の自粛を要請するのは初めてとなる。
危険情報は、治安や政治情勢などを総合的に判断した安全対策の目安。外務省によると、世界各地で国境閉鎖や外出禁止の措置が取られ、さらに航空便の運航停止や減便で日本人旅行者らの行動が制限される事例が相次いで発生したことも考慮したもよう。
現時点の国際線の運航は、日本航空が当初の計画よりも71%減っているほか、全日空も65%減少するという異例の事態になっている。
外務省が世界全体を対象に海外への不要不急の渡航の自粛を求めたことを受け、国内の航空大手では、利用客が一段と減少すると見込まれることから、さらなる運休や減便を検討するとしている。
《外務省からの要請内容》
【危険度】
●全世界(各国・地域に発出している危険情報とは別に、全世界に対して一律に発出するものです) レベル2:不要不急の渡航は止めてください(新規)。
【ポイント】
●渡航先の国・地域において行動制限を受けたり、出国が困難となる事態を防ぐため、不要不急の渡航を止めてください。
1 外務省が発出する「海外安全情報」には「危険情報」
(注1)と「感染症危険情報」(注2)があり、こちらは「危険情報」となります。
注1:「危険情報」は、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域に発出される情報で、中・長期的な観点からその国の治安情勢をはじめとした、政治社会情勢等を総合的に判断し、それぞれの国・地域に応じた安全対策の目安をお知らせするものです。
注2:「感染症危険情報」は、新型インフルエンザ等危険度の高い感染症に関し、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域について発出される「海外安全情報」です。
2 世界各地で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、それに伴う国境閉鎖や外出禁止令等の措置により邦人旅行者等が行動制限を受けたり、航空便の突然の減便又は運航停止(各渡航先のみならず経由先の場合を含む)により影響を受ける事例が発生しています。
3 つきましては渡航先の国・地域において行動制限を受けたり、出国が困難となる事態を防ぐため、不要不急の渡航を止めてください。
4 この全世界に対する危険情報は、これまで各国・地域に発出している危険情報とは別に,全世界に対して一律に発出するものです。
各国・地域に発出している危険情報に記載している治安情勢やテロ等に関する情報も、引き続き有効です。特に,従前の危険情報において、渡航中止勧告(レベル3)や退避勧告(レベル4)を発出している場合は同勧告を踏まえて行動してください。
5 新型コロナウイルスの感染拡大状況に応じて、別途、感染症危険情報を発出している国・地域がありますので,あわせて確認してください。
6 また外務省としては,各国における入国制限措置等について情報収集し、海外安全ホームページに掲載していますので、そちらも確認してください。
<参考>
○海外安全ホームページ:新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限) https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html
7 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い 海外渡航前には万一に備え、家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。
(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )
また3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html 参照)
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版) http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(日刊サン 2020.3.28)