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コラム 旅は呼んでいる 加西来夏

和歌山県

旅は呼んでいる

 和歌山の名物は何ですか、と以前県内在住者に訊ねたら「上野動物園よりもパンダが多いよ!」との回答を頂いた。なるほど、パンダ…も勿論魅力的だが、日本屈指の霊場でトレッキングも楽しめる“熊野古道”やサメやエイなど大物がいるダイビングスポット“串本”、イルカで有名な“太地町”など様々な観光地があるではないか。
 御朱印集めがきっかけで仏教に興味を抱いたのもあり、一番訪れたかったのが“高野山”。悟りを開けば肉体を持ったままでも現世で仏になれる、という即身成仏の教えを説いた真言宗の開祖・空海により建てられた金剛峯寺は、辺り一面にそびえ立つ杉の香りとほのかなお線香の匂いが入り混じり、心身ともに浄化された。境内の襖絵には梅や蓮の花、鶴、犬などが鮮やかに描かれており、さらに蟠龍庭(ばんりゅうてい)と呼ばれる石庭が美しく、海のさざ波の音のように石庭にも癒し効果があるのではと思った。

蟠龍庭

 また、昼はヴィーガンさながらの仏教の伝統的な精進料理に挑戦した。内容は蒟蒻、ごま豆腐、味噌汁、沢庵、さつまいも…肉も魚もない食事は辛かった。
 反動から、夜は南紀白浜からすぐの田辺市にある“味処やぶ”で名産のマグロやクジラ、ウツボのタタキと紀土(きっど)という地酒を堪能した。ウツボは、ダイビング中に遭遇しても絶対に触らないで!と忠告されたほど鋭利な歯と毒もある危険な海洋生物だが、ぱりっと香ばしい皮や程よい弾力と脂はウナギの親戚と聞いて納得の美味しさだった。

ウツボのタタキ

 犬派ではあるものの、“猫駅長”なるものを見たくて和歌山電鐵へ。赤字で廃線の危機にあった貴志駅にたまという三毛猫が鎮座したところ、その愛らしさが評判となって利用客も収益も右肩上がり、その功績から駅長となったのだ。これが本当の招き猫!今回は伊太祈曽駅にもいる駅長、よんたまに会いに。ご利益がありそうなのは言わずもがな、美猫で可愛いらしかった。
 高野山だけでも一泊二日は必須。冒頭の他の名所には行けなかったので、次は熊野古道をメインに訪れてみたい。

よんたま駅長

●加西 来夏 (かさい らいか)

訪問国は39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/国内の移動制限がやっと解除になりました。マスクとソーシャルディスタンスは徹底しましたが、やはり経済を回していかないと観光地全体が寂れてしまうなと実感しました。


(日刊サン 2020.6.26)

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