身障者とのおつきあい
先日ドラッグストアーに行くと、なんと車いすの青年が、通路の床に寝そべっているではありませんか。大変(!)とそばに行って、大丈夫かどうか尋ねると、その青年が「大丈夫です。いま、商品の置き換えをしてます」とのこと。この青年は店員で、どうやら座ったり、しゃがんだりができないので、床に寝そべって、一番下の棚の商品の入れ替えをしていたのでした。その後、自分達が買い物を終えるとその青年が車いすですぐさまレジまでやってきて、商品をスキャンして、袋に入れて精算を終えました。一つ一つのレジでの動作がぎこちなく、口調もどことなくはっきりしない感じでしたが、一生懸命働いている姿に感動しました。この青年は車は運転できないと思われるので、非営利団体が送迎しているものと思われます。こちらでは、こうした障害を持つ人が働いているのをよく見ます。
スーパーKで働く人たち
近くのスーパーKにも時々、車いすの人が働いているし、あるレジ係の女性は手首から腕まで痛々しそうに、サポーターを装着して何年も働いています。このレジでは会計を済ませるのにすごく時間がかかりますが、客の方もこの女性のレジへ行けば、時間がかかることは承知です。この店には車いすで食品の見本を手渡している人もいます。この人は「膝の手術をしたので、立ち仕事ができなくなると、この店が座ってでもできる仕事を用意してくれた」とのことでした。週末には学生らしい若者が働いて奨学金などの補助があるようで、平日は比較的、年配のそれも女性がたくさん働いています。この店は正に「地域に根差す」ことを目指しているようです。
総菜売り場
この店の総菜売り場ではとても背の低い人がいて、帽子をかぶっているので、その帽子で誰かその売り場にいることがわかります。「ポテトサラダください」って言うと、ちゃんとどこからともなく返事が返ってきて、容器に注文の品物を詰めてくれます。不自由な手で容器に移すのに苦労しているようで、こちらがちょっと恐縮してしまいます。
でもこうした人にも働く機会を与えているこのスーパーの思いやりを見ます。世の中は健常者だけでなりたってるわけでなく、こうした人達でも働きたい人にそうした機会を与えてるこのスーパーに「あっぱれ」と言ってあげたい気持ちです。
スターバックスとターゲットは…
この地域でも、スターバックスとかターゲットへ行くと働いている人の構成はがらりと変わって、元気で若い人達ばかり。もちろんターゲットなど店舗が広いし、多様な商品を様々な客へ迅速にサービスを提供する意味では当然なのかもしれません。スターバックスも同様で短時間にテキパキと常連客に機敏な対応が望まれます。まぁ、それが当然って思いつつも、自分は前述のスーパーKの働く人を大切にする経営法に何か「温かみ」を感じて、拍手を送りたくなるのです。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.106
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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