ウイスコンシンで独り言 笑顔の効用
去年の暮のある朝、妻が起きて来て「おはよう」と言って、「ニッコリ」微笑みました。これにはびっくり(!)。「どうしたの?」と思わず尋ねてしまいました。「あなたの顔見たら、嬉しくなったの」と嬉しそうな顔をしたのです。
実は妻は低血圧で、朝とっても弱く、起きてくると、ボーとしていることが多く、頭とか体のあちこちの変調を訴えるのを、何十年も毎朝聞かされてきたので、この朝の異変にびっくり。
驚いた僕は思わず嬉しくなって、微笑み返して、この朝はいろいろ話が弾みました。一体どうしたのでしょう? もしかしたら妻は悪い夢を見たのではないでしょうか? それで、その夢の中で僕が「死んだ」か何かあって、離れ離れになってしまったのでしょう。その夢から覚めて、台所に行くと自分が普通に「生きていた」ので、安心して、思わず微笑んでしまったというのが実情ではないかと思いました。
笑顔の効果
まあ、そんな理由はさておき、自分は笑顔の効果についてちょっと考えました。知ってる人、知らない人に限らず、「ニッコリ」されると感じがいいです。その笑顔に反応して、思わず一言「今日は暑いですねえ」とか言ってみたくなります。そして次に会った人にそれが伝染して、明るい気持ちは順々に他の人に与えることもあります。
たかが微笑むかどうかの、とても小さなことですが、どうやら人はこの笑顔の効果を知っているようです。笑顔は伝染して、自分はもちろん人まで楽しい気持ちにさせます。だからこそ、ハワイなどでは、人は目が合ったりするとニッコリするのでしょう。
新年の決意
この朝を境に自分は朝、妻が起きて来た時、「微笑」んで迎えるようにしました。そうすると、ふしぎなことに幸福感が沸き上がって来て、少しばかり嬉しくなるのです。少し目を細めて、口と頬の筋肉を緊張させて、嬉しそうな顔を作る。ただこれだけのことです。それで何となく幸福感が増してくるのです。特に一日が始まる朝に微笑みで始めるのはいいことと思います。あまり楽しくなくても笑ってみると何となく楽しくなり、心にゆとりすら出てくる気がします。
子供の笑顔
よく人から聞くことですが、落ち込んでいて、「どうしよう?」なんて思案している時に、自分の子供の屈託のない笑顔に助けられたという話です。子供というものはあまりくよくよ考え込まないで、いつも楽しくしていると、それを見る大人の気持ちも寛ぐのかもしれません。自分が子供の頃に雪合戦などして子供同士で笑い合ってると、そこを通った大人までが嬉しそうに微笑んだことを覚えてます。
やっぱり、笑いは伝染するのです。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.92
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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