ママのための教え方、学び方 Vol.1
オンラインでの個別指導をしていると、様々な理由で集団授業に適応しない子がたくさんやってきます。
学校に行かなくはないが休みがち…という「不登校予備軍」のお子さんをお持ちのご家庭は驚くほど多い。兆しが見えた段階ではまだ、「不登校」に我が子をあてはめたくなかったり、相談できる相手がなかったりするので、潜在的な数は計り知れません。
ご家庭の対応でまず意識してもらいたいことは、原因追及にこだわらないことです。もちろん顕在化したいじめがあれば、いじめをする子のためにも改善は必要です。が、不登校の原因というのは心理的にはひとつではないことが多いのです。外的な理由(たとえばいじめ)はひきがねになりますが、多くの場合「自信不足」という内的な理由が潜んでいるのです。すると、外因がひとつ取り除かれても、また別の原因が必ず容赦なく現れてきて同じ状態を引き起こすのです。
では、不登校の心理状態の根本から抜け出すにはどうすればいいか。一言で言うと、その子に「自信の泉」を持たせてあげることです。いじめられたって、無視されたって、自分に大好きで価値を感じることができたら時が解決するのを待つ余裕もできます。
具体的な方法としては、私の生徒さんの家庭には「ほめほめワーク」と称して、親御さんに1日3つお子さんのいいところを探して書き出す作業をしてもらいます。どんなに小さいことでも、勉強に関わらないことでもOK。ゴミ捨てを手伝った、玄関のくつをそろえた、ありがとうを素直に言った…。
これが一週間もすると…ホメるところがなくなってくるのです笑。そこがポイント。誰もがほめるようなこと、例えばテストで1番とったなどは、一時的な「自信」にはなりますが、「自信の泉」ではないのです。そこほめる笑?極小ポイントまでをほめられて初めて「自分の存在自体をほめられる」という感覚が生まれるのです。「あばたもえくぼ」効果です。
そして、言葉にして伝えてください。最初は多少はずかしいぐらいがちょうどいい。もうひとつのポイントは、「そんなあなたを子どもにもってとっても幸せー!」と心から感じながら伝えること。
言葉は言霊というほど影響力があります。最初うそぶいて聞こえても、心がついてくれば必ず伝わります。そして…自分の存在に自信がつき、多少のことでは後ろ向きにならない「自信の泉」ができるのです。
おまけ。ご自分に対しての「ほめほめワーク」をすればセルフイメージがあがり人生の幸福感が一段アップしますよ。簡単で人生が前向きになる毎日の5分間。ぜひ行ってみてください!
(日刊サン 2020.3.13)
大野 奈津
オンラインを通じて、世界中の小中学生に勉強を教える個別指導塾YEAH MATH!を運営。モンテッソーリ教育の小学生年次向け指導資格取得、脳科学、心理学によるコミュニケーション法(NLP)でのカウンセリング、コーチングを学び、ご家庭のサポートもしています。