相続準備:シングルマザーの巻
娘がまだ高校生の頃、トラスト(信託)なるものを作りに、ホノルルの弁護士さんのドアを叩きました。料金やサービスのリサーチを自分なりにして、元カウンセラーだったという弁護士さんを見つけました。話をよくきいてくれて、18歳の娘にも、かみ砕いてわかりやすく説明してくれそうな、長い黒髪の素敵な女性でした。
トラストというのは、遺書、生前信託、委任状(Power of attorney)、臓器移植等、事前指示書など、複雑で込み入った内容が含まれる事を学びました。アメリカ人でも把握が難しいのに、ましてや日本の法律さえも定かでない私と、成人もしていない娘に、親身になってくれる弁護士さんを見つける事ができたのはラッキーでした。
その頃の私には大枚であったウン千ドルを払って、トラスト作りを決心したのは、シングルマザーで15年近く頑張って来た私も、非常時に娘が途方に暮れる事だけは避けたいと思ったからです。微々たるものであっても、財産がスムーズに次世代に移行し、親の最後については親自身が決めていくという親の決心が伝わったのか、まだ成人すらしていない子供も、神妙に耳を傾けていました。
アメリカの法律やお金のことなど、専門家にきちんと聞いて、まとめておくことは、やはり親の責任だと思います。日本とアメリカにたっぷり財産がある方、ビジネスをされている方、お子さんが何人もいる方など、それぞれのご家庭の事情は違うと思います。私の例は、あまり資産もないシングルマザーの例に過ぎませんが、このトラストを完成した後は、何となくひと安心できたので、この経験をここでシェアしてみました。
【プロフィール】 Institute of Transpersonal Psychology 博士号修了。ハワイのWEBテレビ放送局、THINKTECH HAWAIIで日本人コミュニティで活躍する人々を紹介する番組「Konnichiwa Hawaii」でパーソナリティーを務める。本業はライフコーチ・催眠療法士。 電話(808)286-2085 メール [email protected] WEBサイト:http://www.yukari-kunisue-coaching.com |