昔から日本人の食に欠かせないのが魚ですね。その中でもよく好まれて食べられているのはマグロでしょうか。海に囲まれた日本であればこそ、豊富な海の幸に恵まれています。そこで、今回はもう一度、マグロにはどんな栄養が含まれているのかをみていきましょう。
家庭の食卓や、お寿司屋さん、料亭、ファミリーレストランでも、マグロ料理を注文をされることが多いかと思います。そこで、マグロの栄養価も知っていれば、なおさらおいしく食べることができるでしょう。
やはり、成長期の子供さんを抱える親御さん、仕事で追われ過労気味の夫婦、そして、“未病”持ちの中年から初老の方々にとっても、「健康こそ一番です」というのは、みなさん同じかと思います。
前回(STORY#218)、マグロに含まれる“セレノネイン”が、過剰な活性酸素を除去する働きがあることを説明しました。私たちは、大気中から酸素を吸収して生命活動を維持していますが、その取り入れた酸素は、活性酸素にも変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰に増えると細胞を傷害し、癌、心血管疾患、生活習慣病などの疾患をもたらす要因となるとお話しました。
今回はマグロに多く含まれる、“EPA(エイコサペンタエン酸)”と、“DHA(ドコサヘキサエン酸)”について、さらに勉強をしてみようと思います。もちろん、マグロには、タウリン、鉄分、ビタミンE、ビタミンDなど、さまざまな栄養分も含まれています。
オメガ3(n-3系)脂肪酸は、体内で作ることができません。食事から摂取しなければならないので、“必須脂肪酸”と呼ばれます。オメガ3脂肪酸には、「α-リノレン酸」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」があります。α-リノレン酸は、エゴマ(シソ科の植物)や亜麻種子などの植物油から摂取し、DHAやEPAは、魚介類が主な摂取源となります。DHAは、人間の脳や目の網膜の脂質成分で、脳に直接入って栄養素として機能できる数少ない物質です。EPAは、血液サラサラ効果、中性脂肪低下作用をします。とても大事ですね。
厚生労働省による摂取基準では、DHAとEPAを合わせて1,000㎎/日以上摂ることが望ましいとされていますが、マグロの他、イワシやサバなどの青魚に多く含まれます。また、マグロであればトロの部分に多く、赤身部分はわずかとなります。脂肪の多い魚(200~300g)を週3回程度食べる事が望ましいとされています。
新鮮な生の魚を食べるのが一番効果的です。煮込んだり、揚げ油を使うなどすると、DHAもEPAも逃げてしまいます。刺し身にしたり、ポキ、カルパッチョなどの調理で生食で頂くのがいいですね。
また、青魚の缶詰の汁にも多く含まれているといいますので、“それ”を捨てるともったいないですね。