実際に、“マグロやサーモンの代替食品”とはどういうものだと言っているのでしょうか。
メディアが伝えてきているのは、“白っぽい筋まで再現されたリアルな見た目があり、消費者の反応について「食感はコンニャクという人がいる半面、見た目が似ているためか、本当の刺し身と勘違いしたという人もいた」とも。そして、「コンニャク粉や植物繊維を原料にしてあり、特にマグロ特有の香りと食感にこだわって開発したと、伝えています。「半年間の試行錯誤を経て、赤身のマグロらしさを感じられるレベルに仕上がった。マグロの滑らかな舌触りや、赤身の鉄分の香りが再現できた」などの業者の苦労話も伝えてられています。
そこで、「楽天市場」を検索してみますと、『まるでマグロ』という冷凍パック商品(製造元:あずまフーズ)が掲載されていて、販売店の紹介では、“みためそっくりな海鮮風商品”として謳っており、「お刺身のように切ってお寿司にしたり、カルパッチョ、ポキなど使い方は様々です。同シリーズ(サーモン・マグロ・イカ)を合わせて海鮮丼風にもどうぞ。SDGsへ何らかの形で参加・支援したいと思っている方や、体質などから生魚が食べられなかったり、控えている方にもおすすめです」と説明しています。
さらに、原材料名は「こんにゃく粉、食塩/ゲル化剤(加工デンプン、ローカーストビーンガム、カラギナン)、トレハロース、ソルビット、調味料(無機塩等)、着色料(カラメル色素、赤色40号、炭酸カルシウム)、水酸化カルシウム」と記されています。こうしてみると、実際にコンニャクを原料としてはいますが、けっこう添加物や着色剤も使用されているのですね。
ところで皆さんは、日頃行かれる近所のスーパーマーケットで見つけることはありますか。私達が抱えている食糧事情のなかで、“代替食品”は私達の食生活をこれから支えて行くのかも知れません。
しかし、ここで安価な食品を求めるばかり、本物の味を味わうことなくカニカマ食べてカニを食べている気持ちになり、実際のカニの味さえ忘れてしまう、そんなことになってしまうことさえあるのかも知れません。ある親は子どもに本物のカニを食べさせたら、驚いて感動していたという話もあります。また、スーパーのショーケースに並ぶパック入り刺し身は、見た目にも良く、賞味期限も長くするためにさまざまな手が加えられているために、“旨み”の消えた刺し身で満足しているのかもしれません。こうして味覚まで変化し食べていて何が本物で本来の食感や風味なのかさえ区別がつかなくなっていることがありえるのです。
代替食品もさまざまな工夫と努力によって、私達に選択の余地を新たに与えていると思います。私自身は、海辺の町で育った者として、本マグロ(Bluefin Tuna)の大トロや中トロでなくても、
バチマグロやキハダマグロの赤身でも十分に美味しくいただけるものと思ってしまいます。地元のスーパー行けば、その日に水揚げされた魚は、“雑魚”と言えど十分に美味しいものです。やはり、“海の幸、山の幸”を感謝して頂き、自然からの豊かな食を楽しむことの大切さも失ってはならないと思います。
時にはちゃんとした食材を使い腕をふるって料理をして、家族で食卓を囲むのも大事かと思います。