将来の日本の 年金請求への備え
将来日本の年金を受給予定の方へ、今準備しておくべきことをご説明します。
1.年金加入記録の整理
年金申請の時にまず自分の年金の加入記録を申請書に記載します。加入記録は“申告主義”です。本人が記録を申告しない限り記録は認めてもらえません。
そこで予め厚生年金なら勤務先名、所在地、勤務期間、国民年金なら加入していたときの住所、加入期間をノートに記入しておくことが大切です。それらの情報が正確でなくても勤務していたことがわかる説得材料となる情報を用意しておくことが大切です。被保険者証、年金手帳、基礎年金番号がある場合、記録を確認する作業は楽になります。
2.カラ期間の証明の準備
日本の年金の受給資格は加入期間が10年以上であることです。更に遺族年金は加入25年以上です。
受給資格期間の算定は①実際に保険料を納付した期間②保険料免除期間(国民年金)③カラ期間(20歳から60歳まで日本国籍で海外に住んでいた期間)④米国年金加入期間の合計(重複期間を除く)です。
そこで海外にお住いの方はカラ期間を証明する方法を理解しておくことが大切です。
一番簡単な方法は、一つ目は戸籍の附表の提出です。このためには日本を出国するときに転出届を市町村役場に提出しておく必要があります。提出しておけば附表に何時米国に転出したかが記載されカラ期間の開始日が確認できます。
二つ目はパスポートです。米国籍を取得された方も日本出国から米国籍取得までの期間はカラ期間となります。
3.「ねんきんネット」の活用
日本年金機構ホームページの「ねんきんネット」の活用です。インターネットを通じて自分の年金情報を確認できるサービスです。具体的には(イ)年金記録の確認(ロ)将来の年金見込み額の確認(ハ)年金定期便の閲覧(ニ)日本年金機構から郵送された各種通知書の確認。が可能です。但し利用のためには、基礎年金番号が必要です。
●日本年金機構のホームページ
4.基礎年金番号の取得
すべての公的年金制度で共通して使用する一人に一つの番号を「基礎年金番号」といい、1997年1月スタートしました。それ以降の年金加入者の年金手帳(青色)には記載されています。自分の基礎年金番号が分からない方は、帰国の際、年金事務所を訪問し年金記録確認の要請を行うか、第3者に委任状を渡して記録の確認をしてもらうことにより基礎年金番号を取得できます。年金加入記録の確認を行うと同時に基礎年金番号の取得が出来ます。窓口の端末に記録が無い場合、日本年金機構への「年金記録照会」を要請してください。
5.戸籍の取得
自分の戸籍の本籍地と筆頭者は記録しておくこと。年金申請の場合日本国籍者、元日本国籍者(除籍謄本)共に戸籍の提出が必要となります。出来れば手元に古いもので良いので持っていると便利です。実際の年金の申請時は6カ月以内の発行のものが有効です。
市川俊治
民間企業勤務後、外務省改革の一環として始まった領事シニアボランティア制度の第1期生としてNY更にSF総領事館に合計6年間勤務。その官と民の経験・知識を基に海外在住者の年金・国籍・老後の日本帰国の問題のアドバイスを行っている。
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