満腹感と満足感の違い
一年のしめくくりの月がやってきました。例年の場合は、いくつものクリスマスパーティーや忘年会に参加する機会が多い時期かと思いますが、今年は家族でひっそりと年末を迎えるという方も多いのではないでしょうか。その場合は、お食事の在り方に意識を向けてみませんか。
今回は、満腹感と満足感の違いを探ってみましょう。
アーユルヴェーダでは、毎回の食事に6味を取り入れると満足感が高く、心のバランスを調えてくれると言われています。具体的には、甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味の6味を毎食の食事に取り入れることを指します。身近な食品だと、米(甘味)、ライム(酸味)、岩塩(塩味)、生姜(辛味)、ターメリック(苦味)、豆類(渋味)があげられます。献立を立てる時にも、6味を意識することをお勧めします。
6味を取り入れるときには、どれか一つの味が特出しないようにしましょう。例えば、辛すぎる、しょっぱすぎるということを避けます。また、食後は心と身体の状態を観察することもおすすめです。口はどんな感覚か、心はどう感じているか、肉体はどのような状態か、それぞれ観察してみましょう。なんとなくリラックスしている場合は、バランスが取れている証拠です。
一方で、味が一点に偏ると、バランスが崩れます。ここで言うバランスは、心と肉体のバランスの両方を指します。例えば、甘味に偏った食事をするとします。お腹いっぱい食べると、満腹感で満たされますが、同時に眠くなったり、重たい感覚になったことはありませんか。また、甘いものをたべながら、塩気も欲しいと感じたことはありませんか。
満腹感は、その時の感情や感覚によって変化します。食後になんとなく眠たいというのは、バランスが偏っている状態です。一方で、満足感は、バランスが取れている状態で、自分のマインドが安定している時に感じますので、必要以上に食べたり飲んだりすることもなくなります。
もし、特定の味や食感を求めている場合は、バランスが崩れている可能性が高いです。満腹感を感じることに執着している場合も同様です。辛いものをたくさん食べたい、あるいはクラッカーなどの乾燥した食感を求めている場合は、疲れすぎ、睡眠不足、忙しいなど、自分の生活スタイルや優先順位を見直す時期かもしれません。
バランスの取れた食事は、心と身体に満足感を与えてくれます。お食事を通して満足感を高めて年末を迎えてみませんか。
幸せ修行 No.231
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。