思考が現実を作る
先日ある知人と潜在意識について会話をしていたら、「1日に、人は6万回思考している」と言うのです。この数字が正確であるかどうかはともかく、1日にたくさんの思考を働かせながら生活しているとこは間違いありません。そして、思考の管理については、約5000年程の昔に書かれたヨガの哲学書、「ヨガスートラ」にも記載されています。
一般的にヨガと言えば、ヨガのアーサナ(ポーズの練習)や、瞑想、呼吸法が挙げられますが、「ヨガスートラ」では、これらはいずれも、思考を管理するために必要な準備のひとつとして紹介されています。
では、思考の管理が大切だと言われているのは、なぜでしょう。それは、話している言葉や思考が現実になるからだと私は考えます。例えば自分が毎日思考していることが不安に煽られたことである場合、そこから突然、「楽しいこと」は生まれてきません。ネガティブはネガティブを呼び、ポジティブはポジティブを呼ぶのです。また、常に焦っている時には、焦りの感覚が連鎖したりします。何かしら極端な思考が土台にあると、その土台から更に思考が作られます。
最近多いと私が感じるのは、恐怖が恐怖を呼ぶ思考パターンです。そうした負の連鎖を避けるために、ヨガではアーサナをしたり、瞑想、そして呼吸法を実践し、心が常に穏やかになるための基盤を持つように勧めるのです。
実際にアーサナや瞑想、呼吸法が毎日実践することができなくても、思考を意識的に観察してみてください。
例えば、「これしかできなかったから明日も大変だ」と思うのか、「これだけできた、明日は残りをやり切ろう」と思うのでは感覚が異なると思います。
思考は、言葉にする前に頭で考えていることを含みます。なるべく自分が言葉を発する前に、ネガティブな思考を取り去るように意識するようにしてみてください。これは、誰かに怒りや嫉妬、悲しみが沸いた時にも有効です。いずれの感情が湧いた時にも、言いたいことを我慢する必要はありません。なぜ自分がこんな感情になるのか、思考を観察してみてください。直接相手に話す前に自分で思考を整理できるので、感情的にならずに、伝えたいことが伝えられるようになります。
思考の観察は、ヨガマットなどの道具を必要としません。例えばオフィスにいる時でも、何かの待ち時間でもできます。ぜひ実践してみてくださいね。
幸せ修行 No.248
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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