聞いてびっくり? 耳垢の理由
耳垢、文字通り「耳にたまる垢」ですが、これが、消化との関わりを持つことをご存知でしょうか。
耳垢は、乾燥気味の場合と、湿っている場合の大きくふたつに分かれます。乾燥気味の場合は、風と空間のエネルギーであるヴァータが優勢の可能性が高いでしょう。湿っている場合は、おそらく火と水のエネルギーであるピッタが優勢か、あるいは土地と水のエネルギーのカパが高い可能性があります。それぞれ、ヴァータ、ピッタ、あるいはカパのどれか一つだけと結びつくとは限りませんが、大まかな分類としてはこんな感じです。
乾燥気味の場合ヴァータが高いと言うのは、ヴァータそのものが乾燥のエネルギーを持ち合わせていることに由来します。この状態の多くの場合は、消化の力も弱く、食べたり食べなかったりという生活が続いたりしても苦にならない状態です。不規則な生活が続いる場合にもヴァータが高くなります。よって、ヴァータの特徴である「乾燥」が進み、結果として耳垢が増える状態になります。
湿っている場合はピッタあるいはカパの可能性が高いというのは、いずれも水のエネルギーに由来します。ただ、ピッタ単体、あるいはカパ単体で不調が起きる可能性よりも、ヴァータと関連した乱れが起きる可能性があります。ピッタは、消化の力が強くなりすぎてしまったり、カパは、消化に時間がかかるという傾向があります。よって、湿った耳垢が多い場合も、何かしら消化力に不調のある可能性が伺えます。
ホリスティックな面から解決するためには、食生活と日常生活、そして睡眠の全てを整えることが先決です。ただ、乾燥が進んでいる場合、耳の状態を適度に湿らせておくことは可能です。耳を湿らせておくために、一滴の白ごま油を垂らすだけです。横向きに寝て、耳に、一滴の白ごま油を垂らし、大体10分程度横になります。片方の耳が澄んだら、反対の耳も同じようにオイルを垂らしましょう。週に一度から始めてみてください。
この方法は、飛行機に乗るときや、乾燥が避けられない場所に住んでいる場合にも役立ちます。特に乾燥気味の方は、寝る前に行うと良いでしょう。ヴァータが高いと睡眠の質も落ちますので、保湿は睡眠の質を高めるためにも効果的です。
耳の調子と消化のバランスは関係が無さそうに見えますが、私たちの体が一つにつながっているということを示す好例でしょう。耳の状態を観察してみてくださいね。
幸せ修行 No.244
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。