マインドのためのヨガ
ヨガと聞いた時に、多くの場合は、ポーズを思い浮かべると思います。ヨガでいうポーズは「アーサナ」と呼ばれ、これは、自分の心と向き合うために体を動かす行為のことを指します。アーサナは、ヨガで行う行為の一つに過ぎません。
インド生まれのヨガは、サンスクリット語で「つながる」という意味を持っています。つながりの対象は自分で選びますが、今回の記事では、「自分の心とつながる」ことに焦点を当ててみます。
自分の心、つまり、マインドは、私たちの生活の大部分を占めています。なぜなら、自分のマインドの移り変わりによって目の前で起きる事柄に影響を与えるからです。
例えば、自分の中で「もしもこうなったらどうしよう」という感情が生まれたとします。この感情がある限り、いつも不安に駆られ、恐怖心が自分を取り巻きます。小さなお子さんのいらっしゃる方で、取り越し苦労をしている方もいらっしゃるかもしれません。
このように、自分のマインドが作り出す感情によって、私たちの生活はたくさんの目に見えない障害を作り出すのです。
こうした不安や乱れた感情を認識したり、手放したりするために、ヨガではポーズ(アーサナ)を行います。マットの上で、自分の心の移り変わりを認識したり、手放したり、解放したりするのです。揺れ動く感情が一度手放されると、私たちは、サンスクリット語で言う「サーマ」を体験するのです。「サーマ」は、日本語の「静けさ」に近い感覚で、でこぼこ感のない、とても穏やかな状態です。
現代社会では、食事と運動が健康を作るような印象があると思います。しかし、ヨガでは、精神の質が、私たちの健康を作ると言われています。マインドをちょうど良いバランスに保つためにヨガをしてみたい、という方は、なるべく伝統的なヨガクラスを訪ねてみると良いでしょう。動画を視聴してヨガを行う場合も同様です。
ポーズを行う時には、無理に力を加えて体を曲げるのではなく、ゆっくりと、鼻から息を吸って吐きながら、体がどう変化していくのかを感じていきます。
ヨガは、運動のために活用することもできますが、自分のマインドと向き合うために最適な行為です。クラスに通うことができなくても、少しの時間、目を閉じてリラックスするだけでも、自分の中に「サーマ」を迎えることができるでしょう。
皆さんの心は、今、どのような感じですか。
幸せ修行 No.242
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。