下着を新調する習慣
日本では、年始に下着を新調する習慣がありますが、昨今は、特に新年にこだわって下着を新しくするという方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。最近は安く下着が手に入りますから、習慣が変わるということも頷けます。
今回は下着を、肌に直接あたるもの、という視点から見てみましょう。まず、みなさんは今、どのような下着を身につけていますか。肌着を着ている場合は、肌着も一緒にチェックしてみましょう。化学繊維と天然繊維のいずれかの素材だと思いますが、着心地はいかがですか。
アーユルヴェーダの視点からお話すると、下着と肌着は、天然素材のものを強くお勧めします。オーガニックコットンやシルク、あるいはリネンを使ったものを探してみましょう。特にシルクは保湿性に優れているので、女性の体を冷やさないためにもお勧めします。
アーユルヴェーダでは、肌は自分の体内で消化したものが作り出すという考え方が一般的ですが、肌あれや肌に不調がある場合は、肌に接触する素材が原因という可能性も考えられます。ですから、値札やデザインの前に、これは自分の肌が喜ぶ素材かな、という視点を持ってお買い物をしてみてください。
特に女性の場合、アンダーウェアは、お尻から少しでっぱっている仙骨が隠れるくらいの股上だと、体を温めてくれるので合理的です。特に、冬場も冷房の強い環境でお仕事をなさっている方は、絹の腹巻きをして仙骨を温めると良いでしょう。
女性の場合は、生理用ナプキンも肌に直接あたるものですので、可能な限り布ナプキンをおすすめします。おりもの、生理、軽失禁など、清潔に保ちたいエリアこそ、体を冷やさない素材のものを使用すると良いでしょう。市販の使い捨てナプキンは、経血を固める素材に高分子吸収体が使われているので、子宮周りを冷やしてしまいます。
昨今、健康な食品というイメージの強いオーガニック食品を意識して購入する人が増えているかと思います。同様に、肌に纏うものにも意識を向けましょう。肌も、下着から刺激を感じますので、肌が呼吸できる天然繊維を意識してみてください。
皮膚は五感の一部ですので、肌にあたるものによって感覚は変わります。そうした繊細な変化にも気づけるような丁寧な生活ができたら理想ですね。感覚が冴えてくると、不思議と体調や空間のわずかな変化にも気づけるようになります。
今まではデザインや色で選んでいたものを、素材別に選ぶなんて、なんだか新鮮な気分になりませんか。楽しくお買い物をして、自分の体に優しい生地の下着を選んでいただけたら幸いです。
幸せ修行 No.233
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。