「あと5センチ背が高かったらなぁ」とか「もう十年若かったらなぁ」って現実離れの願を起こすことはないですか? 自分はハワイで日系スーパーの「ミツワ」ができたと聞いた時、「僕の住む町にもミツワがあったらなぁ」ってため息をつきました。これが自分の「ないものねだり」でしょうか?
私の住む町には日本的な物はほとんどなく、ウイスコンシン州内でも日系のお店はないので、どうしても、日本の物が欲しい場合はアジア系のお店で取り寄せてもらうとか、アマゾンで注文するっていう方法もあります。でも、欲しい物は実際に見て買ってみたいこともありますね。
シカゴへの道のり
自分達は時々年金の手続きなどでシカゴの日本領事館に行く必要があります。自分達の住む町からシカゴまでは最短で約350キロメートルです。ちょうどこの距離は東京から名古屋の距離で、高速道路を使って約4時間かかります。車の運転の好きな人なら何でもない距離かもしれませんが、こちらの高速は便利は便利ですが、みんなが時速120キロくらいで走っています。途中の高速道路では車線が5〜6車線あり、大型トラックやSUVがすぐそばを猛スピードで通過していきます。時には大型トラックに挟まれて通行することもあり、緊張を強いられます。
アーリントンハイツ
それでやっとたどり着いたシカゴで用件を終えた私は、妻と二人で顔を合わせ、「行こうか?」ってことでシカゴ北部にあるアーリントンハイツという所へ行きます。そこには日系のお店が数軒あり、日本のお医者さんなどもおられます。
このミツワのお店の前には氷がいっぱい置いてあります。最初行った時にはどうしてそんなものが店先においてあるのかわかりませんでしたが、冷凍食品を買った時、その意味がわかりました。買った冷凍食品が解けないように、買った物をクーラーに入れて氷づけにするのですね。駐車場では、どこか遠くから来たと思われる人達が、いくつかの大きなクーラーにいろいろ食品を押し込んでいる光景をみました。
ミツワでおいしい「天丼」を食べる
ミツワの店内には食料品や日用品のほかに、季節ごとのちょっとした催しコーナーがあったり、文房具店や本屋もあり、ちょっと日本を感じます。フードコートもあって、丼ものとか麺類も食べられます。久しぶりにいろいろ試したいですが、お腹は一つ。おまけに年のせいか、食欲は昔ほどではないです。
先回行った時には久しぶりの「天丼」を頂きました。あまり急いで食べてはもったいないのでしばらくは見つめて、それからにおいをかいで少しづつ頂きました。天ぷらのつゆも日本の味。感動です。いつもは玄米なので久しぶりの白米。味わいがありました。
そして4時間の高速道路での帰り路では、こんなお店がもっと近くにあったらいいのにと「ないものねだり」をしていました。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.115
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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