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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 チップの話

 先日あるレストランへ行き、何人かで食事をしました。私はブフェで、他の人達の注文は単品でした。テーブルに案内された時に水はもう容器に入って置かれていて、自分達でグラスに注いで飲んだので、私達のサーバーのしたことは注文を聞きに来て、注文の料理を持ってきてくれただけ。ブフェの私には、一回だけ皿を下げに来てくれました。それで最後に精算となったのですが、ただ一回皿を片付けに来てくれたサーバーに、15%とか20%のチップが必要なのか、疑問に感じました。

 時々外食をすると、ただ注文品を持ってくるだけの店がある反面、大きなレストランで、何度も飲み物を注ぎにきてくれたり、いくつかの料理を何度も要領よくテーブルまで運んでくれる場合は、気持ちよくチップを置いて行きたいって思います。

 最近ではクレジットカードで精算する人が多く、精算の際には18%とか20%のチップが参考として載っていて、レストランによっては15%が除外されている所もあります。こんな場合は何となく15%では少ないって感じさせますね。

チップが要らない店も

 私がよく行くサンドイッチのお店はカウンターで注文すると、台所から注文品を持ってきてくれるので、チップを置かないのが普通です。テキサスでも似たようなおいしいシーフードの店があり、いつも大盛況でした。この店では、入店の際に欲しい物を注文し、支払いを済ませます。そして番号札をもらって、テーブルで待っていると、注文品を持ってきてくれるのです。

 その店ではテーブルに「チップはいりません。あなたの笑顔がチップです」って書かれた物がありました。チップは無用と言っても、バスボーイや席へ案内する人にチップをあげるのを見たことがあるし、私達もこの店では少しチップをテーブルに置きました。

チップがもらえる人ともらえない人

 昨今の物価高で、注文する単価も高くなり、当然チップも多くなります。私達が行くレストランでは、結構お客が気前のいいお金をテーブルに置くのを見ます。もらえるサーバーにはチップはいい習慣ですが、キッチンやバスボーイなどでチップのもらえない人がいるわけで、もらえる人との収入格差が生まれますね。

 こうした格差をやめるために私の住むあるレストランでは「チップは不要」と掲げる店があらわれました。本来、レストランで働く人には、チップに依存しなくてもいい給与が払われるのが理想です。しかし、それでもチップを置いて行く場合はそのお金を慈善事業に寄付すると聞いています。アメリカではこうしたチップの慣行やめて、チップ込みの値段を提供する店もあるようです。

 これからそんな店が増えていくのかもしれませんが、それまでは今後も我々は戸惑いつつ、チップを払っていくのでしょう。最終的には相手への思いやりで、はっきりしない領域ですね。

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.139

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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