イオラニ宮殿はどこ?
ハワイに住んでいた頃、ダウンタウンに私の職場はあったので、よく旅行者を見かけました。地図を片手にあちこち探している姿を見ると、「どこへ行かれますか?」って自然に聞いて、イオラニ宮殿などへどうやって行くか道案内したり、すぐそばのチャイナタウンのことを話したりしました。こうした旅行者を見ると、“助けよう”っていう気持ちが先だって話しかけるのですが、時には迷惑になることもあるようです。
「どうしました?」って助けを申し出て、男女の二人組や家族連れなどでは、反応してくれたりありがたがるのは女性が多いです。連れに男性がいると、男性は顔をつぶされたと考えるのか、ありがた迷惑のような態度をとられ、ちょっと後味が悪いこともありました。
男性は独立心旺盛なのか
私は日本へ帰っても、道で迷ってたりする人を見ると、「どうしました?」ってうっかり声をかけてしまいます。相手が女性だと「~へ行きたいんです」とか言われ感謝されることが多いのですが、男性だと不快そうな顔をされることがあるので、なるべく男性には聞かない方がいいって思っています。ただ、長年ハワイで培ったこの癖はなかなか抜けません。街中で携帯電話みてキョロキョロしている人を見るとつい「どうしました?」って思わず聞いてしまいます。そうするとたいてい男性の場合は、突然声をかけられて警戒心の方が先に立つのか「いや、なんでも…」って迷惑そうに、時には不快そうな表情さえします。
知らない土地では聞いた方がいい
人に聞くって自尊心が傷つくのかもしれませんが、聞いてしまった方が早いこともあります。今年の始めワイキキにいる時に日本人旅行者がクヒオにあるワイキキマーケットをさがしていたのですが、その住所の所に行ってもありません。それでキョロキョロしていた人を見て、マーケットはその場所のすぐ上にあるので階段かエレベーターで行くように話したことがあります。
同じようなことをシカゴで私自身が経験しました。シカゴの日本領事館の所在地へ行ったのですが、何とそこはデパートでした。それでその一画を探し回った挙句、やはりその場所が領事館の所在地とわかり、その建物内のエレベーターを見ても領事館の表示はありませんでした。右往左往した後、店内の人に尋ねて、やっとその店の奥に隠れるようにあったエレベーターを教えられました。私自身、住所がわかっていたので、一々人に聞くまでもないと思っていたのですが、やはり知らないことは聞いてしまった方がいいです。
日本へ帰国した際も、町で迷っていそうな人がいるとつい「どうしました?」って尋ねてしまいます。全く余計なお世話の場合もあるのでしょうが、時には人助けになっていることもあるので、状況や相手をよく見て、手助けはしようと思っています。ちょっと日本人ぽくない行動ですね。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.155
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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