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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 テキサスへの道(6)

サンアントニオ、アラモ砦のある町

 テキサス州で二番目に大きな町、サンアントニオに来ました。サンアントニオと言えば、メキシコとの闘いの象徴「アラモ砦」で有名です。このアラモの建物はスペイン人が原住民へのキリスト布教を目的に1718年に建てられたものです。すぐそばには川が流れているので、生活がしやすかったのでその地が選ばれたと思われます。そのほかにも、この川にそって5キロほどの間隔を置いて合計五つの伝道所(ミッション)が建てられていて、布教するスペイン人と原住民の人達がキリスト教に基づく規律のある生活をしたようです。

リバーウォーク

 サンアントニオと言えば、アラモ、そしてリバーウォークです。このサンアントニオの町に沿って約24キロの長さの川沿いを歩くことができます。特にダウンタウン辺りには観光用のボートがダウンタウンの通りの歴史や川に沿って立ち並ぶ歴史建造物などの案内をしてくれます。川沿いには多くのレストランが立ち並び、夜は音楽とともに様々な料理を楽しめます。サンアントニオに来たら誰もがリバーウォークのひとときを過ごし、これをしないでサンアントニオへ来たとは言えません。私たちは今回の滞在中、何度もこのリバーウォークをのんびり楽しみました。

五つの伝道所(ミッション)

 ダウンタウンのアラモ砦の他、サンアントニオにはあと四つの伝道所の建物が残っていて、今でも神父が住む住居がある伝道所もあり、こうした建物内部はカトリック教会が維持管理し、建物の外部とその敷地は国が管理するという面白い公園の管理がなされています。この伝道所の生活はその昔、キリスト教の規律に従い、慣れない言語(スペイン語)、慣れないしきたり、食べ物などで原住民の人達は戸惑ったものと思われます。ただ原住民の人にとっては敵対する部族との争いから逃れ、安全を確保する代償でもありました。今はもう誰も住んでいない伝道所の建物を訪ね、スペイン人のキリスト教布教への熱い思いがおぼろげにも伝わってくる気がしました。伝道所の中には、今でも定期的にミサが行われている建物(コンセプション)もあります。私たちは一度この礼拝所のミサに参加しましたが、18世紀の古い建物の中でメキシコ人が奏でる音楽が高い建物に響き渡り、言葉にできないような宗教の持つ重々しさを感じ感動しました。そして、一つ一つ古い伝道所を訪ね歩き、300年の時を超えて、今もそびえたつ古い教会の建物を見ながら、テキサスまで来てよかったって思いました。

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.124

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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