
いつから星空が好きだったのだろう。思い起こせば1992年、宇宙飛行士の毛利衛さんがエンデバー号で宇宙へ行った際、彼が同郷だったことでより幼心に強く印象に残り、興味を抱いたのが始まりかも知れない。
すばる望遠鏡のあるハワイ島やグランド・キャニオン、シナイ半島で見た星空も美しかったが、やはり有名どころの“テカポ湖”は絶対に押さえておきたいと訪れたニュージーランド。陽が沈むとともに、夜空を埋め尽くす星、星、星!視力0.5の肉眼でも数多の星とミルキーウェイ(天の川)がくっきりと見えた。あまりの美しさに星空自体を世界遺産に登録しようという動きがあるのも納得で、写真で有名な“善き羊飼いの教会”があるテカポ湖以外も素晴らしく、連なる山々や湖、遠くに見える街を背景に、自分で好みのロケーションを探すのも楽しみのひとつだろう。


クライストチャーチでは、東日本大震災の1ヶ月前に起きた“カンタベリー地震”により倒壊した大聖堂や、その代わりにと日本人建築家の板茂氏により設計された“紙の教会”を見学してきたが…紙!?これが紙で出来ているなんて、とても信じられない!ステンドグラス以外のほとんど、高い天井部分の屋根や十字架なども素材は紙だという。


星空撮影に備えてしっかり食べなくては、と選んだ夕食はローストラム&ポテトが売りの持ち帰り専門店“Pedro’s House of Lamb”。女一人で完食するには到底無理な量だったが、近所のスーパーで選んだ1000円弱の地元産のメルロー100%、フルボディーの赤ワインと一緒に味わった。ちなみに、以前飲んだクラウディ・ベイというブランドのワインはハズレなしでおすすめ。
クライストチャーチからクイーンズタウンまで結局500km近い距離を走行した。夜間は道路に急に野ウサギやポッサムがぴょこぴょこ飛び出して来て、何度も轢きそうになってしまった。
そして、南下するにつれどうも見覚えのある風景が。デジャ・ヴューここは、アイスランド?!


●加西 来夏 (かさい らいか)
訪問39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/帰国してから盛大に焼肉を食べました。食べちゃダメと言われると飢餓感が…もちろんいただく命に感謝しつつ。
(日刊サン 2021.04.30)