見事メダルを獲得したスピードスケート高木美帆選手やカーリング女子選手をはじめ様々な競技で道産子が大活躍した北京オリンピック。北海道はウィンタースポーツに最適の気候なのだ。
国際的スキーリゾート・ニセコ。元々ローカルな町だったが、二十年以上前から町民がアジア圏へ売り込みブランド化に成功したそう。代名詞である“パウダースノー”はニューヨーク・タイムズでも紹介されて爆発的に知名度を上げ、いまや道民が躊躇うほど宿や食事が高級になり、いつかは訪れたい憧れの地だった。確かに中心部はラグジュアリーホテルやコンドミニアムが立ち並び、外国のような街並みに圧倒されるが、今回宿泊した『ニセコスキーロッジ東山』はリーズナブルかつ清潔、オーナーも親切で大満足。また、高級フレンチや寿司ばかりでなく気軽に美味しく食べられる『居酒屋らくだ』もおすすめで、庶民でも手が届くと安心した。
温泉地としても素晴らしく、湯のミネラル成分が五種類ある、色が五色に変化するとも言われる“五色温泉”や、アイヌの人々が昆布を干していた場所に因んだ“昆布温泉”などが点在し、雪見風呂を満喫できる。しんしんと降る雪を眺め、ほっこり温まり癒された後は冷えたビールが最高。
車で一時間弱走ると鰊漁で栄えた岩内町があり、今でもウニやスケトウダラなどが豊富に水揚げされる。以前山形県で源頼朝から逃れた義経や弁慶が発見したとされる瀬見温泉に行ったことがあるが、なんとこの地まで訪れ、後に大陸を渡ってチンギス・ハーンになった…という説もあるらしい。そんなロマンに想いを馳せつつ、大穴グルメを発見!ウニ、ムール貝、イカ、ホタテ、エビ、とふんだんに具材をのせた『ささや食堂』の“岩内港ラーメン”。魚介出汁好きにはたまらず、久しぶりの美味しいラーメンだった。
●加西 来夏 (かさい らいか)
訪問国は39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/現在、またまた猛吹雪でホワイトアウト…今年は道民もなす術無し、自然には逆らえません。
(日刊サン 2022.2.25)