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デジタル版・新聞

コラム マスコミ系働き女子のひとりごと

コロナ禍の緊急帰省

台風10号が直撃する直前の鹿児島・桜島。空が澄んで綺麗でした

新型コロナのため東京都内で息を潜めるように生活して早6カ月…。このたび主人方の身内に不幸があり、鹿児島の桜島近くまで飛行機で緊急里帰りをしました。

「WITHコロナの生活」に移行後、旅行も控えていましたが、冠婚葬祭の「葬」が理由なら遠出も仕方ありません。帰省が決まり、飛行機を調べると通常なら1日10便前後ある羽田発の鹿児島便が、半数近くに減便しています。

日本からハワイへの直行便も長らく運休していますが、JALの場合国内線も9月度は全体の32%が運休。朝の段階で帰省を決めましたが、正午前後の便が軒並み運休しており、何とか夕方の3席を確保しました。

 

ガラガラの空港にがく然

政府は旅行に補助金を出す「Go to Travel」キャンペーンを打ち出し、旅行業界の盛り上げに必死ですが羽田空港に活気はなく、人もまばら。売店のお弁当も旅客数に合わせ調整しているのか、いつもは山積みの名物のカツサンドも全くなく、午後4時前にお弁当は全て完売していました。

機内でもCAさんが、マスクにゴム手袋でサービスし、定番のコンソメスープは姿を消し、飲み物はお茶かペットボトルの水のみ。席のポケットにある航空会社の機内誌も、機内販売もお休みでコロナ前との“変化”に改めて愕然としました。

慌ただしい帰省でしたが、鹿児島名物の白熊のかき氷だけは、空港で頂きました

新しい日常が普通に

ただ我が身を振り返ってみても、コロナが蔓延してからは美容院でもマスクをしたままカットするのが“ニューノーマル”に。ネイルサロン通いもやめ、爪に貼るシールタイプで代用しています。映画館での鑑賞もお休みし、見たい映画は自宅のアマゾンプライムで。

最初は物足りなく、我慢を強いられる窮屈な感じもしましたが、数カ月たつと、環境に適応していくのか、それが「平常」に。段々とwithコロナの生活が自分の中でスタンダードになっていく気もします。

 

出社組が増えて…

けれども本当に必要なこと、不必要なことは選別され始めているのでしょう。リモートでの在宅勤務と出社勤務が週の半々だった我が職場では、都内の感染者数が1日3ケタ台だった8月後半でも、出社時間が自然と増えてきました。営業という部署の性質からか、またはリモートでのコミュニケーションの限界、はたまた昭和的な空気が残る組織の体質か、同僚でも出社組が大多数になっています。

1学期はほぼリモート授業だった娘の中学校も8月25日の新学期から、完全登校となりました。

コロナと共に生きる今後の社会で、何が生き残り、切り捨てられていくのか。自分の仕事は、環境はどう変化するのか? 本質が試されるような恐怖を急に感じています。

竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。

東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.26

(日刊サン 2020.9.11)

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