ラグビーの東の聖地と言えば、都心の一等地、北青山にある秩父宮ラグビー場です。戦後すぐの昭和22年、空襲で焼け野原となり米軍の駐車場として使用されていた土地に設立され、以来都内唯一のラグビー専用スタジアムとして、数々の名勝負の舞台となってきました。
聖地・秩父宮周辺でラグビー交流
そんな港区の秩父宮界隈で、今年は3年ぶりに「秩父宮みなとラグビーまつり」が復活。日本でラグビーW杯が開催された2019年を最後に、コロナ禍のため開催中止が続いていましたが、今年は銀座線の外苑駅前からスタジアムに続く大通りを一部通行止めにして4月24日の日曜日に大々的に開かれました。
当日はリーグワンの各クラブを紹介するカラフルなテントや食べ物屋さん、ラグビーゆかりの国や地域のブースなど、50もの団体が出展。同まつり実行委員会の事務局長で元明大ラガーマンでもある港区の黒崎祐一区議は「ラグビーに興味のない方にスタジアムの前にいかに来て頂くか。今年はせっかくリーグワンが始まり、もっと地域を巻き込んでいかないといけないし、そのきっかけになればいいですね」とラグビーまつりに対する熱い思いを語ってくれました。
感謝を込めてクリーン活動
当日はボランティアも100人が活動。私もこのエリアには、親しみがあり、記者時代は取材のために毎日のように通いました。その恩返しになれば・・と朝の清掃ボランティアに参加。赤白の代表ジャージを着た60人に、ラグビーの日本代表OBも加わり、約1時間歩道のゴミを拾いました。
ラグビー場の隣には、プロ野球の東京ヤクルトの本拠地で東京六大学野球の舞台となる神宮球場があります。ただ、老朽化も進み実はこの一帯は再開発が進んでいます。
再開発で生まれ変わる北青山一帯
計画では外苑前駅から近いラグビー場とその少し奥にある神宮球場&神宮第二球場の場所が入れ替わり、当初は来年23年から秩父宮は建て替え工事がスタートする予定でした。(現在は工期が遅れ、再開発全体の終了は35年の予定)。ラグビー場から徒歩5分程の場所には、東京五輪の開会式が行われた国立競技場もあり、このエリア一帯は、新時代のスポーツの聖地として、生まれ変わる過渡期にあります。外苑前のシンボルの銀杏並木の保全など問題を抱えながらも、三井不動産などが手掛ける再開発プロジェクトが、進行しています。
リーグワンもいよいよシーズン終盤
「みなとラグビーまつり」当日のハイライトとして、リーグワンの東京サンゴリアス(サントリー)と、世田谷本拠地のブラックラムズ東京(リコー)の“東京ダービー”の対戦もありました。プレーオフ進出を決めている東京SGが圧勝し、私の住む街のチーム、ラムズは下部との入替戦圏内に陥落しました。
いよいよ5月21日からは、リーグワンプレーオフも始まり、初代王者の座をかけた熱戦が始まります。同時に下部リーグとの入替戦もあり、1月に開幕したリーグワンの初年度もいよいよ最後のクライマックスを迎えます。
東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.46
(日刊サン 2022.5.13)
竹下聖(たけしたひじり)
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
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