日刊サン読者の皆様、2021年明けましておめでとうございます。
東京の今年の正月三が日は澄み切った青空が広がる穏やかな天気。ただお正月もステイホームが基本です。今年は普段は見る時間がない韓流ドラマ、それも昨年の流行語大賞のトップ10入りも果たした「愛の不時着」に浸るのを楽しみに、年末年始の休暇を待ちました。
不時着沼に落ちる
動画サービスの「Netflix」で全世界に配信されたので、ハワイでも見た方は多いのでしょうか? 「愛の不時着」は今年2月まで韓国で放送されたドラマで、その直後に国外で配信が始まると、春先の新型コロナの緊急事態宣言の時期と同じくして、日本でも人気に火が付きました。
韓国の財閥令嬢がハングライダーで遊覧中に竜巻に巻き込まれ、あろうことか38度線を越えて北朝鮮側に墜落。そこで出会う将校(中隊長)との恋愛模様や、南北の生活の違いに戸惑う様子が前半戦。後半戦では韓国側に無事に戻った主人公を追って、ヒョンビン演じる将校が韓国側に密入国してしまう…という現実離れしたストーリーです。
新鮮なシーンに胸キュン
今年は日常生活も国内限定となり、リアルな体験も少ない日々が続きました。そこに“世界一遠い外国”の北朝鮮の生活が描かれたドラマは何と新鮮なこと!しかも寡黙で武骨、そして文字通り身を挺して主人公を守る北朝鮮の中隊長がカッコいいこと。このドラマに胸キュンしない女子がいるのかと思う王道でした。
村民の家を検査する「人民班長」、盗聴専門の職員「耳野郎」、しばしば起きる停電、薪で沸かすお風呂…。実際にどこまでが北朝鮮の生活のリアルかわかりませんが、不自由な生活の中、工夫して明るく過ごす人々の姿を、コロナで制限の多いわが身に置き換えてみたり…。
意外な号泣場面とは
号泣ポイントも多々ありますが、私の場合は韓国に秘密裏に入国した中隊長を追い、部下の隊員4人がスポーツ選手団に扮して韓国側に潜入。苦労の末、中隊長と再会するシーンでなぜか涙があふれました。ドラマの中では北朝鮮の人々の純粋な優しさが随所に描かれ、それが少しコミカルでもあり、ほのぼのと温かい。ほかにも、実は主人公の令嬢は韓国では自分の名を冠した化粧品会社を持つ敏腕社長で、ソウルに来た恋人を守るため、暴漢を買収するなどやることも爽快。「私を守って」型の旧来のヒロイン像とは対照的なのも新鮮でした。
そうはいっても、韓国と北朝鮮の間に、禁断線があるのは動かしがたい事実。再び離れ離れになった主人公たちが再会を果たす方法も…ナカナカ現代的でした。
My韓国ブームは今後…?
お隣だけど、実はよく分かっていない朝鮮半島。日本人と似ているようで文化が違うコリアン。今、東京の女子中高生が休日に出かけるのは原宿ではなく、山手線では原宿から3駅離れた新大久保のコリアンタウンです。BTSにはまる我が娘も新大久保が大好きで、父親が貯めたポイントを使用して、父子で新宿のホテルに宿泊して、新大久保を満喫するミニ旅行を計画するほど(年末のコロナの感染拡大で結局キャンセル)。
それにしても、次々続話が見られるネット配信は、中毒性のある韓国ドラマと相性ばっちりですね。政府からの1人10万円の給付金でテレビを10年ぶりに買い換えたらネット配信がスムーズに見られるようになったのも、韓流熱が再燃した原因です。新型コロナの流行が思わぬ形で連れてきた韓流ブームは、私の中で今再燃したばかりです。
東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.30
(日刊サン 2021.1.08)
竹下聖(たけしたひじり)
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
シェアする