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【ちょっと役立つ 日本の新製品】窓で発電?! “発電ガラス”
現在世界で300ギガワットを超える太陽光発電がありますが、広大な土地や場所を占有する既存の「メガソーラー発電」には、多くの問題点が指摘されています。今回紹介するのは「透明な太陽光発電パネル」の開発です。
太陽光発電の効率化を目指し、世界の多くの企業や大学が研究を進め、その実用化段階に入ったのです。日本の企業も頑張っています。特に、米国スタートアップ企業ユビキタスエナジー社とエネオスHD、日本板硝子との共同開発で生まれたソーラーパネルや、inQs社の「SQPV:無色透明な太陽光発電ガラス」です。
大きな特徴は従来のソーラーパネルと異なり、透明であることです。つまり、屋上や広い土地に設置しないでも、従来ガラスが使われているところをこれで置き換えれば、窓であろうが、温室ハウスの覆いであろうが、太陽光さえ届けば発電できるのです。可視光線、紫外線、赤外線でも高い効率で発電でき、遮熱性や断熱性も優れています。天窓を含めさまざまな角度からの日射でも発電ができます。
今回の「透明な太陽光発電ガラス」というのは、約10年前にinQs株式会社により、見えない光でも発電する物質「SQPV」として高純度SiO2(二酸化珪素)を使って開発されました。レアアースなど高価な素材を使用しないため大量生産が可能です。NTTアドバンステクノロジ社などが、SQPV技術を使用して製造した高機能ガラス製品「無色透明発電ガラス」を商品化したのです。この発電ガラスは、可視光を最大限透過しつつ発電する技術で、発電と遮熱の機能があり、赤外光を反射せず吸収し発電するので、ヒートアイランド現象も防止できるのです。
エネオスHDとJR東日本、YKK、AP、日本板硝子などは、高輪ゲートウェイ駅の構内の窓ガラスを透明な太陽光発電パネルに置き換え、発電性能の実証実験を行いました。他にも多数の実証報告があります。
No.343
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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