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【ちょっと役立つ 日本の新製品】ファインバブルで”人間洗濯機”実現!?
歴史的に「万国博覧会」では、世界的に新しいアイディアがデモ、イベントや展示物として公開されますが、2025年に開催予定の大阪万博に出展される予定の新製品を紹介します。それは、「未来の人間洗濯機」というものです。機械内に横たわると、超極細な泡(ナノバブル)が身体を洗浄し始めます。洗浄中に各種のセンサーで健康状態をもチェックする仕組みもあるそうです。
開発は、細かい泡「ファインバブル」で、汚れを洗い流すシャワーヘッド「ミラブル」を製造しているサイエンス社(大阪)です。技術は簡単に言うと、超微細な気泡で洗うという仕組みです。
国際基準で、直径100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)未満の泡を総称して『ファインバブル』、1~100マイクロメートル未満の泡を『マイクロバブル』、1マイクロメートル未満を『ウルトラファインバブル』としました。ミラブルはウルトラファインバブルをミスト状に、加速度的に発生させます。ミストは1秒間に2千回転の渦を巻きながら出て、ミスト中のファインバブルが優しいやすりの役割を果たし、汚れを浮かして洗い流します。基本的に洗浄剤は要りません。医療や介護、特殊な化学環境などでは、消毒は必要ですが、洗剤での不要な「手や肌の荒れ」などはないそうです。
皮膚や繊維などの「細かい分子レベル」の成分にくっついた「汚れ成分」サイズが大きいサイズのものなら、同程度の大きさを持つ「気泡」や「水疱」で、剥がしたり浮き上がらせて除くことができます。しかし、極く微細な汚れは、それよりも更にナノサイズの微細さのもの(気泡、水疱など)でなければ除去することはできないのです。
サイエンス社の青山会長は、1970年の前回の大阪万博で見た、三洋電機(現パナソニック)の「人間洗濯機」に強く影響を受けたそうです。「幼いころに見て衝撃を受けました。超音波で発生させた泡で体の汚れを落とし、乾燥までしてくれる画期的なマシンでした。今回の開発チームには当時の三洋の開発者らにも入ってもらいました。人間洗濯機の継承者として、みなさんが驚くようなものを見せたい」と話しています。
この「人間洗濯機」がどれほどの、性能を持ち、どれほどのコストになるのかは、不明ですが、将来の介護や家庭での利用などを考えても、とても面白い技術製品だと思われます。早く実用化され、大量生産されるようになり、リーズナブルな価格で販売されるようにと期待します。なお、ファインバブルの応用として「水耕栽培」があり、通常よりも生育が早くより大きな野菜が栽培できるのだそうです。これも2025年大阪万博にてお披露目の予定とか。
No.314
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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