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【ちょっと役立つ 日本の新製品】歌って踊って、拍手で盛り上げロボット
コロナ渦やロシアのウクライナへの侵攻などで、世界中が健康や戦争の不安を抱えて、暗く落ち込んでいる現状で、「元気の出るロボット」が「2022国際ロボット展(今年3月)」に出店されて、話題を集めました。真っ赤な身体にたらこ唇、大きな手で、見事な拍手を繰り出しながら歌い踊る姿は、場を盛り上げ、元気が出ます。その名を「ビッグクラッピー」と言います。
ビッグクラッピーは、拍手で場を盛り上げる「盛り上げロボット」で、高さ1mの身体に手がついており、左右に身体を捻りながら歌って、拍手をします。漫才のように、せりふを喋ることもできます。手の素材はウレタンゴムで、手のひらの中央にくぼみをつくり、綺麗な「破裂音」を周囲に大きく響き渡らせます。
開発者の高橋氏は、長年慶應大学で「拍手」の研究に携わり、ソフトバンク社のロボット「ペッパー」の開発にも関わったことがあるそうです。きっかけは、現存ロボットのほとんどが「堅苦しい」イメージです。人間との双方向のコミュニケーション能力をもつロボット、たとえば、ペッパーでは話しかけても返事をしてくれなかったりし、話がかみあわなくてがっかりすることもありました。双方向のやりとりはあえてせず、一発目で面白いことをやらせ、笑わせるという方針にしたと言います。
ガンダムのような角張ったロボットより、ドラえもんのような柔らかい印象のロボットをめざしたのです。高橋氏は学生時代に、手だけで拍手をするロボットを多数開発し、それらは「パチパチクラッピー」として販売されてきました。しかし、手だけが動いて拍手をするのでは製品としては魅力不十分で、これに「キャラクター性」を加味して、今回のビッグクラッピーが出来ました。
すでに販売やレンタルがなされており、携帯ショップやスーパーマーケットなどで利用されています。
国際ロボット展ではいくつかのデモ動作が注目をあび、大好評だったそうです。そのうちの一つが「ビッグクラッピーが歌って踊る『マツケンサンバ』」で、その動画がユーチューブで見られます。面白いので是非ご覧ください。
限られた機能のため、それほど高価格ではありません。コロナ感染予防のため、呼び込みをしたいが大声はだせない状況で、呼び込みロボット、もしくは、一発屋芸人ロボットと言えそうです。ちなみにトーク音声はボイスチェンジャーを使い、高橋氏が吹き込むことが多いようです。
No.313
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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