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【ちょっと役立つ 日本の新製品】イリュージョン! 水で膨らむおしぼり
そろそろ気温が高くなり、冷たい飲み物や食べ物が欠かせない季節になりました。かつて日本では、飲食や喫茶の店に入ると自動的に一杯の水とおしぼりが提供されていました。今は事情が変わって、客が要求した場合にだけ出てくるようです。
おしぼりは衛生面から布製から紙になり、再利用を避け、使い捨てになっています。そして今や、圧縮された紙素材が水分を含まない状態で提供され、使用時に水分を含ませて使うようになっているのだそうです。
写真を見てください。(画像:大黒工業社のウェブサイトより)砂糖菓子の粒のようなものが「圧縮おしぼり」と呼ばれるものです。直径2センチほどの円形で、少量の水を垂らすと、もくもくと膨らむのです。大黒工業社のMOWAという商品で、使い捨て紙おしぼりの機械で、素材となる紙を丸め、油圧プレス機でプレスして圧縮するのだそうです。この時点では何ら添加成分はなく、使う場面に合わせて、温かいお湯や冷水、あるいはレモン水などを含ませて、様々なオモテナシに使えます。場所を取らずに保管でき、料理に合わせて種々の香りの成分を加えることで、オリジナルな香りの演出も可能だそうです。例えば、札幌の飲食店では、北海道らしさを演出するため、トド松の香りを添加した水でおしぼりを膨らませており、客から「お湯をかけたら膨らむおしぼりがイリュージョンみたいで楽しい」と大好評だそうです。
アウトドアグッズや災害用備品としても注目されています。大黒工業では、過去の災害時に被災地に紙おしぼりを寄付してきたそうですが、物量が嵩張り、トラックをチャーターして持ち込んでいました。この圧縮おしぼりだとコンパクトで、災害備蓄用500個入りの製品だと、4リットルのお水で500人分のおしぼりを瞬時に作ることが出来るようになったとか。
「おしぼりは日本独特のおもてなしの気持ちです。それぞれの思いで、さまざまに利用してもらえると良い」とも。生地がしっかりしていてプラスチックゴミも出ないことも利点のようです。
ちなみに価格は、1パック200個入りで900円前後。500個入りは2千円弱のようです。
No.336
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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