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【ちょっと役立つ 日本の新製品】持ち主に寄り添う、“ぬいぐるみ病院”
かなり前になりますが、日本に「おもちゃの病院」というのが開設され、子どもたちの大切なおもちゃを修理してくれるサービスがありました。多くの子どもたちが古くなったり、壊れたりした「宝物」を再び、生き返らせる貴重な仕事が大変感謝されたものです。今回、世界でも珍しい「ぬいぐるみ」に特化した「ぬいぐるみ病院」を取り上げます。大阪豊中市にある施設ですが、開設から10年目を迎え、これまでに約1万7000体の「患者」を救ってきたといいます。
開設当初は2人で始めましたが、現在はスタッフ30名の大所帯になり、内科、外科、整形外科、耳鼻科などの診療科目があります。体内の綿の入れ替え、切り傷の治療、皮膚移植や植毛なども行います。入院中に、自分のぬいぐるみが寂しい思いをしているのではという依頼者家族のために、入院中の写真も送る気遣いもあるようです。入院費は1万4000円から。費用を考えると、他のものでは置き換えられないような、本当に大切なぬいぐるみの場合に利用するのが賢明かもしれません。
最近のコロナ渦での外出自粛で人にも会い難かったなかで、感染を心配しないで済むぬいぐるみをハグして、「不安や辛さから救ってもらった」という依頼主も多く、持ち主の心のケアをも治療したいといいます。30~50代からの依頼が最も多いそうですが、男性からの相談もあるそうです。
ぬいぐるみはおもちゃとして、また、お守りとして、それぞれの人生で大きな意味を持つものが多いようです。物として修理するのではなく、持ち主にとってかけがえのない存在の『命』を救うことで、ぬいぐるみといえど、大切な家族であるとの基本方針が貫かれているようです。
完全予約制で、入院待ちは数年だそうです。予約が殺到していますが、サービスの質を下げずに全ての依頼を受け付けようとしているようです。色々な問題がありますが、心ある人たちと「日本ぬいぐるみ医師会」を発足させ、日本の和の精神をぬいぐるみの治療に、また、修理するというより治療するという心を広めたいとしています。最近では、海外からも依頼が来るようになり、「世界中のぬいぐるみの命を救いたい」と意欲に燃えているようです。
完全予約制で、入院待ちは数年だそうです。予約が殺到していますが、サービスの質を下げずに全ての依頼を受け付けようとしているようです。色々な問題がありますが、心ある人たちと「日本ぬいぐるみ医師会」を発足させ、日本の和の精神をぬいぐるみの治療に、また、修理するというより治療するという心を広めたいとしています。最近では、海外からも依頼が来るようになり、「世界中のぬいぐるみの命を救いたい」と意欲に燃えているようです。
ぬいぐるみのライフを支援する仕組みとして大変興味深いものがあるようです。誕生、普段の手入れ、壊れた時の修理、いよいよ最後のお別れ時など、人間同様の扱いとそれらを支援するシステムは、新しいビジネスモデルとしても有用であろうと思われます。
No.331
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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