美味しいマグロを求めて Part3
たまには贅沢をしたいと思い、美味しいマグロを求めてスーパーや魚屋さんで、自ら手にとって買い求めたマグロに失敗があったりして、とても悔しい思いをするときがあるものです。ショーケースにあるいくつかのパック入りマグロから、好きなだけ時間をかけて見て選ぶのですから、やはり買う側が気をつけなくては、となりますね。
そこで読者のみなさんの“マグロの目利き”の力で、できれば失敗をせずに、お得感をもってマグロを選べれば幸せなことです。前回までの“サシ”、“シミ”のお話をしましたが、今回はマグロの“身割れ”についてへと話を進めてみましょう。
「色も良し、脂もあり、またサシもシミもない、これで大丈夫!」と思って買おうとするマグロ、しかし、身割れ状態を見逃してはなりません。パック入りのマグロを家に持って帰って、パックを開けてみたら、身がバラバラになってしまったり、または、包丁を入れて刺し身におろそうとしたら、切り取るにうまくいかず、刺し身の形が崩れたり、バラバラになってしまったりすることもあります。
もちろん、研がれた刺身包丁があれば、ある程度はこうした状態のマグロをうまく切り落としていけるものですが、これもかなり手慣れた技が必要となります。
それでもうまく刺し身にできたとして、お皿にもった刺し身を箸でつまみ上げたら、箸からパラパラとマグロが崩れてしまえば、このショックも大きなものになりますね。なんとしても、こうした身割れマグロは避けたいところです。
先ずは、切り身の横からの切り口をよく見てください。断面の筋(ライン)がズレていたり、隙間があったり、段差になっていたりしていたら身割れの可能性は大です。また身がペタッと潰れて見えるマグロも避けたいです。
こうしたマグロの鮮度も落ちてくれば、身割れは加速してしまいます。やはり、ギシッと詰まった、ピンと張りのあるマグロが良いですね。
身割れの原因は、船上での取り扱いや、または、地方魚市場からスーパーや魚屋さんに届くまでに、乱暴に扱われたり、マグロの入っている箱ごと地面に落としてしまったりと、いろいろ予期せぬこともあります。せっかくのマグロの身を潰してしまうこともあります。
また、私自身の経験からも、漁師が釣ってきたマグロから身割れを見極める必要がありました。実際に船に乗り込んで検品もしましたが、鮮度抜群のマグロでも、上身と下身では身の状態が大きく違いがある場合があります。
漁師さんの扱い方で上身はしっかりしているのですが、下身が潰されていたりします。生きたマグロを取り上げた時に、船の甲板でバタバタを暴れてしまいます。本数があがれば処理に間に合わなくなります。また、船倉にマグロを入れた時に積み重ねてしまうこともあります。
もちろん漁師さんたちは、こうしたことがあればせっかくの釣り上げたマグロの価値が下がりますので、手数をかけ様々な工夫をしています。