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世界のマグロを追いかけて男の旅 こぼれ話

暑い日本の夏

暑い日本の夏

 真夏を迎えた日本、新型コロナ感染の再可燃する中、1年間延長された第32回東京2020オリンピック競技大会(7月23日から8月8日までの17日間)の闘いが、熱く展開しております。

 今回のオリンピック・パラリンピック東京大会は、開催国も参加国も、そして選手たちもガマンにガマンを重ね「世界が、待ちに待った」と大会となりました。しかし、開催日以前から開催への賛否両論もありましたが、ようやく漕ぎ着くことができました。世界を震撼させているコロナ・パンデミックは、あらゆる既存の考え方やシステムや習慣・伝統まで変えなければ前へ進めなくしてしまいました。

 しかし、大会が始まって見ると、何よりも参加選手たちのコメントや、インタビューでの開催者側、応援者へ感謝の言葉で溢れており、競技へ向かうその姿や思いに、私達もたくさんの感動と勇気をもらっています。

 

 こうした中で東京豊洲市場も賑わいを取り戻し、7月に入ってアメリカ・ボストンから本マグロが飛んで来るようになり、また、日本近海で穫れるマグロとせり市場で真っ向勝負をしており、競り人の目も声もさらに熱くなっております。

 日本近海のマグロは、津軽海峡を挟んで北海道と青森、太平洋側の東北の三陸地方から三重、和歌山へ南下、日本海側は新潟の佐渡ヶ島から京都、鳥取で、この夏も盛んにマグロ漁が続けられています。それらは、はえ縄漁、定置網漁、一本釣りなどです。また、今は冬を迎えている南半球のオーストラリアやニュージランドからも、南インドマグロが輸入されています。

 

 私は函館出身ですが、やはり日本での最も人気があるのは“大間のマグロ”となるのでしょうが、しかし大間のマグロにも負けないのが、津軽海峡を挟んでその向かい側の“函館・戸井のマグロ”なのです。

 大間と戸井の間は、20キロ弱の距離で、この狭い海峡をマグロが回遊していきます。同じ津軽海峡が漁場なのでマグロは同じなのですが、水揚げされた場所によって“大間”だったり“函館・戸井”だったりするのですから、ブランドにこだわる漁師たちのプライドや、市場戦略も面白いものです。

 子供の頃の私は、暑い夏は海で泳ぎ砂浜で遊びましたが、はるか遠く蜃気楼に浮かぶ津軽の山々が見えていたことを思い出します。

 本マグロの産卵場は、台湾沖から沖縄辺りで、4月から7月にかけて太平洋側と日本海側に分かれて北上して行きます。そして夏には津軽海峡まで到達しているわけです。もう一箇所の産卵場所は、日本海側の能登半島沖と言われています。

 

 終息の気配を見せることない猛威を振るう新型コロナ、そして、汗と涙の激闘を繰り広げるオリンピック、そして、日本、世界のマグロ漁師たち、東京豊洲市場も、この日本の夏は熱くなっています。

STORY 171

永井 修二

北海道出身、在米38年 鮪関連水産会社34年勤続

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