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世界のマグロを追いかけて男の旅 こぼれ話

2021年の初競り

2021年の初競り

  新年あけましておめでとうございます。本年も、「世界のマグロを追いかけて 男の旅・こぼれ話」のコラムを宜しくお願いします。

 新年恒例の東京、豊洲市場の“初競り”が、年明けの5日5時10分、鐘の鳴り響く音で始まりました。結果は昨年同様に青森県大間で水揚げされた208.4キロの本マグロが、キロ100万円まで競り上がり、最高値の総額20840万円で競り落とされました。

 初競りには、一番マグロを目指して青森県だけではなく北海道からも、そして佐渡、太平洋側の三陸、千葉、静岡からの天然マグロと、全国からの養殖マグロも多数並びました。海外からではギリシャやメキシコから空輸で運び込まれており、競り場は立派なマグロで溢れていたのでした。

 今年は豊洲市場も例外ではなく新型コロナウイルスの感染への対策として、卸売人、仲買人のマスクを着用、マグロの目利きの際には手の消毒、一般人の見学などの禁止などを執り行っていました。

 

 さて、マグロの初競りですが、昨年1億9320万円、そして一昨年では史上最高額の3億超えで落札した寿司チェーン店“すしざんまい”の喜代村社・木村社長は、今回一番マグロを逃しています。今年は「やま幸」が、一番マグロを競り落とし、このマグロは寿司店「おのでら」へと卸されます。となれば、ホノルルのお店にも空輸で届けられるのではないでしょうか。

 競りが終わった後に木村社長は、新型コロナ禍で飲食業界が打撃を受けている現状を踏まえて、メデイアに対して『最高値は付けなかった。外食は自粛モードなので、あまり派手にやるのはいかがなものかと』と言って答えていました。

 

 ところで、この208.4キロのマグロを釣り上げたのが、青森県大間町で50年以上も漁師をやってきた田中稔さん(65歳)でした。「釣り上げた時は、これはイイ値がつくたと思った」と話しており、それでも「キロ15万円もあればいい」と思っていたらしいです。初競りが迫る4日の早朝に、敢えていつもと違う漁場で挑戦し釣りあげたそうです。大間で漁師を続けてきていて、過去に最高値のマグロを2度釣りあげてきたようですが、「初競りの一番マグロは、毎年狙っていた。やはり、一番マグロは特別だ」と話 していました。大間町の町長は、「価格はもちろんだが、一番マグロを捕るのがが漁師のロマン。今後も高値で競ってくれることを期待する」と語っていました。

 

 そこで、結果として一番マグロの競りで負けたのが木村社長ですが、この結果に対して、新年のニュースへのコメント欄へ、この結果に対して多くの賛辞が寄せられていました。どんな状況下でも人気を博するのは、さすが自称“マグロ大王”を名乗る名物社長ですね。

STORY 161

永井 修二

北海道出身、在米38年 鮪関連水産会社34年勤続

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