マンハッタンから2時間の大自然
予定していたメイン州への旅行が直前にキャンセルとなって以来、なぜか友人たちから旅のお誘いが増えた。先日のこと。「1週間の予定でビーチハウスに滞在するから来ない?」そんなうれしいお誘いをいただき即返事をして、マンハッタンから脱出。夫とふたりで、友人夫婦の待つビーチハウスへと向かった。
電車に揺られることたったの2時間。そこには、同じニューヨークとは思えない大自然が広がっていた。人影もまばらでパトカーのサイレンも聞こえない。駅からウーバーを呼んで森の中を走ること約20分。ビーチハウスに到着。
外で私たちの到着を待ってくれていた友人の笑顔をみて、ほっとひと安心。たいして遠くまで来ていないのに気分は異国まできたような感覚さえ覚えた。
海の目の前に立つビーチハウス。まずは波の音をBGMにみんなで乾杯。海の風がやさしく私たちを包む昼下がり。ああ、なんてしあわせなじかんなのだろう。せわしなく時間が過ぎ去っていくマンハッタンの生活とは正反対の、ノープランの中ゆったりとした時間が、穏やかに静かに流れていく。
友人夫婦とビーチをしばらく歩いて貝殻を拾ったり波打ち際で足をつけたりして子どものように遊んだ。自然に触れると心がゆるんでいくのがわかる。マンハッタンでの生活では固くなっていた自分にさえ気づいていなかった。ゆるゆると心も身体もゆるめる。
夜になり、空には満天のきらめく星。故郷、高松とよく似た空気感のただようその場所。もう何年も故郷の地を踏めていないなかで、偶然の巡り合わせに不思議と導かれたような気持ちになった。
夜、ビーチでキャンプファイヤーをした。潮の香りに包まれたなか、ふと空を見上げれば満月が星たちと絶妙なるハーモニーを奏で、共演していた。まるで地球に包まれているような安心感。こんなに平和な気持ちになったのはいつ振りだろうか。
前のように自由に旅ができなくなり、あらためて気づかされる有り難さの数々。
光と影、太陽と月、表と裏、陰と陽……同時に存在する相反する2つのものたち。世界はやっぱり美しい。
ビーチハウスで思いっきりリラックスしたあとはまた生きるチカラが沸いてきた。地球よ、今日もありがとう。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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