“NEW” New York
自宅待機も3カ月がたち、人々のストレスも高まってきたころ、気がつけば、はや6月に突入。自宅待機になった頃はまだ寒かったマンハッタンも、先日アパートの暖房が冷房へと切り替わり、一気に夏を感じる気候になってきた。街の様子も、平常運行に向けて徐々に回復の兆しをみせはじめた矢先、全米各地でプロテストがはじまった。
今までは、目に見えないウイルスという恐怖と向き合ってきたけれど、そこに今、目に見える恐怖が加わった。
ニューヨークで行われているほとんどのプロテストはピースフルであり、危害を加えてやろうなどと行進しているのではない。しかし一部の暴動をおこす人たちの存在で、ここ数日、街は一気に闇へと包まれている。
数日前から、リアルロックダウンとなる夜間外出禁止令も出された。次々と巻き起こってくる新たな問題。まるで、いままで閑かにしていた火山が、限界を迎え、一気に吹き出したようなエネルギーだ。
ここ数カ月、眠らない街ニューヨークが閑かに静寂していたなか、たった1日を境にして、一気に何もかもがひっくり返ったような騒がしさとなった。まるで、何かが再び目を覚ましたかのように。
夜間外出禁止令が出された日。日中は、ベニヤ板を運ぶ人たちの姿が多く目に留まった。それは、自分のお店を護るため。お店の窓ガラスを割られ、襲われないよう、事前にベニヤ板を張っておくのだ。ここニューヨークで暮らしていると、自分の身は身分で護ることは鉄則であり、先を読んで備えていく行動力が必要だ。
夜、暴動がおきたら、警察は忙しくすぐには助けに来てくれないだろう。そういったひとびとの想像力と自分にできることは事前にやっておくというマインドだ。
今、地球は大きな大きな変換期を迎えているのを感じている。私たち人間ももちろん、今まで味わったことのない、新しい価値観の時代へと突入した。新しいことがはじまるとき、その直前には今までの古きを手放す必要がある。今まで溜まっていた膿を、すべて出しきるかのように。膿が出しきれたとき、また新たな新生地球の時代が始まっていくのだろう。
テレビでも“NEW” New Yorkということを頻繁に耳にする。2020年は、NEWだらけ。ニューヨークは、今までも日ごろから常に「新しい」で溢れた街だった。しかし、今までの枠をさらに超えた新生、ニューヨークが誕生しつつあるのだろう。
“NEW” New Yorkがこれから一体、どうなっていくのか。そして世界が、これからどんな風に変化していくのか。わたしも新しいじぶんを生きたいと思う。
私の旅ストーリー No.198
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart